番外編〜カナメとフォビア〜 ページ2
「ともかく、起きて」
うながされて、起き上がる。もう少しだけ、ここにいたかったな。そう思ったけど、その考えは、頭に感じる感覚に霧散する。木の根を枕にしたから、木屑が髪の毛に絡まっているんだわ。せめて、ハンカチを敷いていれば良かったかも。
軽く払いながら、アタシはカナメを凝視する。
「……?」
カナメも、視線に気がついたのだろうか。アタシの目を見つめ返す。目が長い前髪に隠れて見えないけれど、こっちを見ている事は、なんとなく分かった。
その奇妙なにらめっこは、体感では数時間にも感じられたけど、多分ものの数秒だと思う。先に目を逸らしたのは、アタシの方だった。
「アリガトウネ、カナメ。何だか目が覚めてきたワ」
「うん。この時期は寒いから、あまり昼寝には向かない」
大きく背伸びをする。まだぼんやりとしていた脳味噌が、冷たい風に吹かれて、急激に覚醒していくのを感じた。
そしてふと、面白いアイディアを思いつく。よく眠れたからなのかしら、研究のための計画まで浮かんでくる。
「ウン、目が覚めた!おねーさん覚醒したワ!」
「ほう」
うんうんと頷いて、深呼吸をする。そして、彼女に背を向けた。そのまま、建物に急ぐ。もし、この仮説が正しければ、きっと素敵なものができるわ!
「何ダカやる気が溢れるワ!カナメ、起こしてくれてアリガトウ!」
「うん。何か分からないけど、どういたしまして」
彼女は少し困惑しているみたいだった。無理もない。寝ている人を起こしたら、いきなり礼を言われたんだもの。けど、アタシはそんな彼女に説明も何もせず、走った。
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ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさん» あら。そうでしたか…。 今からマイボードにご相談したい話をしますので、ちょっと待って下さいね!! (2019年12月8日 22時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ぐうたら猫さん» ごめんなさいぐうたら猫さん……見当たりませんorz (2019年12月7日 10時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさん» ミクミキさんの方です。 マイボードってメッセージが来たよって報告の機能がないからか、なかなか気付いてもらえないんですよね…。 (2019年12月7日 2時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ぐうたら猫さん» ぐうたら猫さんのボードですか?それとも私のボードですか? (2019年12月6日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさんこんばんは! ミクミキさんにご相談があるのですが、マイボードを見てもらっても良いですか? (2019年12月6日 21時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
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