検索窓
今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:3,613 hit

番外編〜カナメとフォビア〜 ページ2

「ともかく、起きて」

 うながされて、起き上がる。もう少しだけ、ここにいたかったな。そう思ったけど、その考えは、頭に感じる感覚に霧散する。木の根を枕にしたから、木屑が髪の毛に絡まっているんだわ。せめて、ハンカチを敷いていれば良かったかも。

 軽く払いながら、アタシはカナメを凝視する。

「……?」

 カナメも、視線に気がついたのだろうか。アタシの目を見つめ返す。目が長い前髪に隠れて見えないけれど、こっちを見ている事は、なんとなく分かった。

 その奇妙なにらめっこは、体感では数時間にも感じられたけど、多分ものの数秒だと思う。先に目を逸らしたのは、アタシの方だった。

「アリガトウネ、カナメ。何だか目が覚めてきたワ」

「うん。この時期は寒いから、あまり昼寝には向かない」

 大きく背伸びをする。まだぼんやりとしていた脳味噌が、冷たい風に吹かれて、急激に覚醒していくのを感じた。

 そしてふと、面白いアイディアを思いつく。よく眠れたからなのかしら、研究のための計画まで浮かんでくる。

「ウン、目が覚めた!おねーさん覚醒したワ!」

「ほう」

 うんうんと頷いて、深呼吸をする。そして、彼女に背を向けた。そのまま、建物に急ぐ。もし、この仮説が正しければ、きっと素敵なものができるわ!

「何ダカやる気が溢れるワ!カナメ、起こしてくれてアリガトウ!」

「うん。何か分からないけど、どういたしまして」

 彼女は少し困惑しているみたいだった。無理もない。寝ている人を起こしたら、いきなり礼を言われたんだもの。けど、アタシはそんな彼女に説明も何もせず、走った。

番外編〜カナメとフォビア〜→←番外編〜カナメとフォビア〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.7/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:シアン空団 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさん» あら。そうでしたか…。 今からマイボードにご相談したい話をしますので、ちょっと待って下さいね!! (2019年12月8日 22時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ぐうたら猫さん» ごめんなさいぐうたら猫さん……見当たりませんorz (2019年12月7日 10時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさん» ミクミキさんの方です。 マイボードってメッセージが来たよって報告の機能がないからか、なかなか気付いてもらえないんですよね…。 (2019年12月7日 2時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ぐうたら猫さん» ぐうたら猫さんのボードですか?それとも私のボードですか? (2019年12月6日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさんこんばんは! ミクミキさんにご相談があるのですが、マイボードを見てもらっても良いですか? (2019年12月6日 21時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年1月26日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。