私はずっと疾風のような彼が好きだった。 (ページ28)

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いらない！！　：主人公目線ページ28

…微風家、明鈴の部屋

いよいよ、明日が野生中との試合…！！

そして、FFが始まる日でもあります！！

FFが終わったら…この組織を滅ぼす為の対策を考えないといけない…

大好きな守君や蘭ちゃんや仲間達…

そして、一郎太君をこれ以上私たち組織と関わらせる前に…

『お母さん、明日からFFが始まるんだよ…＾＾』

目の前にある母親…微風ラファルの写真を見ながら、私は呟く。

『お母さんの遺志を継がなきゃいけないのは分かってる…
でも、それと同じくらいサッカー部の仲間は大切なものなの……
彼らを守る為に、私は精一杯を尽くします。だから、もう少しだけ待っていて下さいね…』

お母さん…我儘な娘でごめんね…

でも…FFで全国優勝できたら…私は未練を無しに消えることができると思うの。

サッカーは、私の全てだから…

サッカーボールが、病弱だった私を救ってくれたから…

そして、そのサッカーを愛する仲間達が大好きだから…

わかって下さいね…

コンコン…

「お嬢様、旦那様がお見えです」

『…入れてあげて、蘭ちゃん』

「…わかりました。どうぞ、こちらです……」

ガチャ…

父「明鈴！私の愛する娘よ！！久しぶりだな」

『お父様…おかえりなさいませ……』

この男が私の父親…微風亜久斗……
一見は優しい父親だけど、本当はそうじゃない…

父「ん？今日は元気がないように見えるが…疲れているのか？」

『え、ええ…
サッカーは楽しいんですが…明日から地区予選の大会なので…』

父「何、サッカー！？お前はこの微風財閥の娘なのだぞ！？
それに元々病弱なくせに…スポーツに熱中とは何を考えているんだ！！恥を知れ！！」

し、しまった…！！；；

平和な日々に慣れたせいで、体のことをすっかり忘れていたわ…！！；；；

『でも、日差しの強い日や具合が悪いときは休んでいますから…；；；』

父「煩い！！お前は女なのだから、スポーツよりピアノや勉強をするべきだ！！
その方が他の財閥のいい男が寄ってくる！！そろそろお前もいい歳だし、婚約者を決めてやろうか！！」

婚約者…！？；；

きっと、私はただのお金目当ての小道具なんだ…

今に始まったことじゃない…

でも嫌よ…だって私…

『…ら……』

父「何だ？明鈴」

『私にだって、好きな人くらいいますから！！婚約者なんていりません！！』