景瑚くん、ちょっと待って。 (ページ50)

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やばいやばいやばい！
ただいま、
藤田A、
とてつもなく焦っています。

時計が表してるのは、
AM10:29

髪の毛は寝癖がついてるし、
顔だってまだ洗ってない、
今からメイクもしなきゃいけない、

それでも時間は待ってくれなくて、

家中を走り回ってる

服は昨日景瑚に選んでもらったのがあるから、
それを着て、と

うわわわわわ、
あと10分で景瑚来ちゃう！！

今日はメイク薄くていっか！
リップはいつもの。
ビューラービューラーっと。

こんなもんか！
よし！
そう思って、
玄関のドアを開ける。

ガチャ

景瑚｢おはよ｣

A ｢お、おはよ｣

景瑚｢ゆっくりで良かったのに｣

A ｢もしかしてずっと待ってた？｣

景瑚｢全然待ってないよ｣

A ｢ごめんね｣

景瑚｢ごめんねじゃないでしょ｣

A ｢･･･ありがとう(笑)｣

景瑚｢ねえA｣

A ｢ん？｣

景瑚｢今日、なんか雰囲気違う｣

A ｢やっぱり、この服あんまり似合ってないかな？｣

景瑚｢んーそうじゃなくて｣

A ｢･･･？｣

景瑚｢あ、メイクだ｣

私の顔を覗き込んで来たから、
目の前に彼がいた。
ニッコニコ笑顔の彼。
そんな彼にドキドキする私。
私の少しの変化に気づいてくれる彼。
そんな彼にドキドキした私。