欲張り ページ4
「…誰から？」
「同僚の子！仕事で分からないことあったんだって。ていうか明日聞いてくればいいのにね。」
「ふーん。随分仲良いんだな。」
「そうかな？普通だと思うけど……」
あれ？もしかして…これはもしかする？
「ジフナやきもち？いや〜照れるなぁ」
「はぁ？俺が嫉妬するわけないだろ。」
食い気味に返され、私の淡い期待は散り散りになる
「…通話口の相手アホそうだったからそういうのよく相手にするなって思っただけだし」
心臓を深くえぐられたようにジクジクと胸が痛い
ジフナはたまに酷く現実を突きつけてくる
分かってるよ
分かってるけどそんな言い方ないのに
「…み、ミンギュくんはおちゃらけた感じだけど結構仕事できるし、出世コースなんだよ？」
「は？本当かよ。」
「嘘じゃない！本当だもん！同僚の私が保証す…んっ」
私の唇に突然ジフナの柔らかい唇が重なってきて黙らされてしまう
私の反撃は見事に失敗した
.
.
.
.
.
隣には天使のような寝顔をしているジフナがスースーと寝息を立てている
「好きだよジフナ」
聞こえないようこっそりと呟き額にキスをした
一緒に住み始めて、こういう風に当たり前にお互いが居るようになってからのほうが不安になるのは贅沢な事なのかな…？
2年以上も付き合えて
毎回なんだかんだ言いながらイベントや記念日は一緒に過ごしてくれたり
毎日同じベッドで寝たり
今だって本当は十分幸せなはずなのに…
一緒にいればいるほど、長い時間を過ごすほど欲深くなってしまう
これ以上望んだらバチが当たっちゃうよね
余計なことをグルグル考えてしまうのは多分、まだお酒残ってるから
明日も会社だし早く寝なきゃね
ペシッと両頬を叩いて無理やり眠りについた
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作者名：鱈 | 作成日時：2020年5月2日 18時
