他人事 ページ5
今日も狭い電車の中で憂鬱そうな顔をした人々がひしめき合っている
やっと狭い空間から解放され、思いっきり深呼吸をした
毎日満員電車に揺られているけど本当に慣れない
ため息をついていると後ろから
「Aちゃーん！おはよ！」
「朝から元気だなお前…」
「あ、ミンギュくんにスニョンくんおはよう。」
お前は元気なさすぎんだよってミンギュくんがスニョンくんの肩をバシバシ叩いてる
スニョンくんも私とミンギュくんと同じ同期の男の子
あれ？たしかに、スニョンくんなんか元気ない？
「どうせ俺は冷たい人間だよーーー」
「ど、どうしたの？急に怖い…」
「こいつさー彼女と別れたらしいんだよね。ていうか振ったんだっけ？」
わざとらしく冷たい目をしてスニョンくんを睨むフリをするミンギュくん
そうするとスニョンくんは気まずそうに別れた経緯を話し始めてくれた
「…会っててもカトクでも彼女に毎回、好き？どこが？って尽く確認されてさ。なんか疲れてだんだん…面倒くさくなってきちゃったんだよね」
やだー冷たーいって冷やかすミンギュくんに肘で牽制するスニョンくん
「あーまあ、毎回はあれだけど女の子は不安になっちゃう子多いよね。」
「Aちゃんはそういうこと言わなそー！な、スニョン」
「うん、なんか自信ありそう」
とか言ってキラキラした目で見てくるスニョンくん
私の場合は聞かないんじゃなくて“聞けない”立場だからな…
きっと自分のこと好きって言ってくれたら確認したくなっちゃうと思う
というか待って
「まさか浮気…？」
「いや！？してないよ！？」
「そうだよね、スニョンくんに限ってそういう事はしなさそう」
「まあハッキリ言えば重くなったんだろ」
トドメの一言をミンギュくんが発せばウッとうなだれて、最後粘られたけどなんか冷めたって確信しちゃったんだよねーと空を仰ぎながらスニョンくんは言った
「やっぱり最低ヤローだ。」
「さっきから酷いな！ミンギュ！」
私も気をつけなきゃな
言葉に出してきいてないとはいえ、行動とかでも重いって思われてしまう瞬間はあるわけで
心当たりがあった私はなんだかスニョンくんの話が他人事だとは思えなくてなかなか仕事が手につかない
ただパソコンと睨めっこしてるだけ
「A、お昼行こ！この人たちもいるけど。」
声をかけられた方を向くとイェリンと俺らおまけ？って笑ってるスニョンくんとミンギュくんがいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鱈 | 作成日時：2020年5月2日 18時
