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二十一、報告 ページ21

『そう...7月7日に退院...』


Aの病室で、俺は退院の日程が決まったことを彼女に報告した。


「おう...あ、でも見舞いは毎日来てやるからな!ってか俺暇だし!うん、すげ-暇だからさ!」


クスッと笑うと、Aは俺に右手を差し出す。


『退院、おめでとう』


それは作り笑いなんかじゃなくて、本心でそう思ってくれているのだということがすぐに分かった。


そんな彼女がまた愛しくなって、俺はそっと頭を撫でる。


「ありがとうな」


彼女の...Aの病気が落ち着いて、退院の許可が降りたら...


(告白でも、してみっかな...)


.





.





.





「土方さん...多分ですが、あの病院は黒ですぜィ」


沖田はチュッパチャップスプリン味を包から取り出し、口に含む。


「ほう...その証拠は見つかったのか?」


「へい..."結城A"、あの女が決定的な証拠になりやす」


「そう言いきれるのか?」


「...9割型ってことで」


土方は煙草の煙をもわっと吐き出す。


それに嫌悪感を顕にさせる沖田を無視して、土方は話を続けるように沖田に視線を送る。


「結城Aは、《不治の病》のフロアにいやす。その病名は《五感・臓器機能低下症》。

五感及び体内の臓器が年齢を重ねる毎に機能障害を起こし始めるらしいでさァ。

この日本、いや、宇宙でただ一人の献体。だから間違いなく助けることは不可能。

それにもかかわらず病院が受け入れているのは、そのための裏金を結城家から受け取ってるって可能性が高ェでしょうねィ」


一通りの説明を終えると、沖田は立ち上がり襖に手をかける。


「あと土方さん...その女には手、出さねェで下せェよ?」


その言葉に土方は眉をぴくっと動かす。


「それは、どういう意味だ?」


「...さぁ、何でしょうねィ」


ふざけてはぐらかすように笑うと、沖田は土方の自室を後にし、廊下の奥へと消える。


「旦那が...惚れてんでねィ...。俺は、同じにしたくねェだけだ。同じ思いはさせらんねェ」


そう言葉を吐き捨てて。


(それに...俺は、どこかで"アイツ"と...いや、んなわけねェよな)


.




.




.







『さて...と』


今日は銀時さんが朗報を持ってきてくれたお陰で、なんだかいつもより内心穏やかだった。


一人になった病室で、私は十分注意してベッドから降りる。


痛みを感じないというのは本当に不便だ。


私はゆっくりと窓の側へと歩く。


頬を掠める風が、妙に心地いい。

二十二、悪夢→←二十、退院予定日



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うにゃっと - じわじわと悲しくなるような小説ですね…、続きとっても気になります!更新頑張ってください! (2015年9月22日 4時) (レス) id: 7a7fc6dd0e (このIDを非表示/違反報告)
いぶ(プロフ) - 続き気になります!更新がんばって~!! (2014年6月29日 14時) (レス) id: e43983a375 (このIDを非表示/違反報告)
灯羽永 - 面白かったです!続き気になります!!!!更新頑張って下さい!!!! (2014年3月8日 10時) (レス) id: 934b1f4a2b (このIDを非表示/違反報告)
蓮華(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!更新頑張って下さい!! (2014年1月6日 23時) (レス) id: eb9015cbbe (このIDを非表示/違反報告)
モヘア - つっ...続きが気になります...!!!どうぞ、更新頑張ってください...! (2013年11月28日 19時) (レス) id: fd6856bf8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三日月リイア | 作者ホームページ:書き込み不可ですっ[壁]。。;)  
作成日時:2013年7月17日 21時

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