三、入院 ページ3
「んん-...」
「銀ちゃん、目覚めたアルか?」
気が付くと無機質な天井の部屋に、俺はベッドで横たわっ ていた。
目の前には心配そうに俺を覗き込んでいる神楽と新八と、 ほくそ笑んでいる沖田と仏頂面な土方がいた。
...って、おい!!!
「てめ-らチンピラ警察!!!無抵抗な一般市民になんてことし てくれてやがるんだよっ。」
「抵抗はされましたがねィ。」
「お前がバズ-カなんか打つから、見て!?俺の髪の毛!!こん なくるくるパ-マになっちまったじゃね-か !責任とりやが れ。」
「いや、それはもとからですよ銀さん。」
「入院3ヶ月だそうだ。たまには見舞いに来てやるから しっかり星見張っとけよ。」
「なぁに、夜空に浮かぶ星の数数えてたらいいわけ?」
「てめ-、もう一発バズ-カぶっぱなしてやろ-か、あぁ?」
「まぁまぁ旦那落ち着いて下せェよ。今回、真選組からの 依頼でさァ。報酬は期待していいですぜィ?」
「坂田銀時、一生懸命頑張ります!!」
「切り替え早っ!!」
そんなやりとりを少ししたあと、新八達は各自帰っていっ た。
ったく...あいつらと関わると余計なことにならねェんだ よ。
「...暇だな。」
今はまだ昼の3時半。
特に荷物も持っていなかった俺は絶賛暇を持て余し中だっ た。
しかも、入院費はチンピラ警察持ちだからご丁寧に個人部 屋。
「まっ、3ヶ月だし探検でもしてみっか。」
俺はおぼつかない足取りで、松葉杖を使って病院散策に努 めることにした。
案外人居るんだな...
とりあえず喉が乾いたので自販機を探しに行く。
「だ-っもう、無駄に広いんだよ!!」
ちょっとイラッとしてシャウトした時だった。
『なにか探し物?』
後ろからふと声が聞こえた。
それは、儚いようで可憐で触れることさえためらわせる花 のような声。
って、何言ってんだ俺 !
思い返せば返すほどに、恥ずかしい。
『聞こえてる?』
ハッとして後ろを振り向いた。
そこには、亜麻色のサラサラそうな髪をなびかせた女がい た。
歳は、多分沖田くんとかと同じくらい、か。
「あっ、えと、自販機って...」
『あぁ、ここ広いものね。私が案内してあげる』
「お、おぅ...さんきゅ」
『いえいえ、ここではお互い様。助け合って生きていく』
一瞬、悲しそうに見えた。
「じゃあ、案内頼む。」
『うんっ、任せて! 丁度暇してたし。』
彼女の背中は、小さく見えた。
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うにゃっと - じわじわと悲しくなるような小説ですね…、続きとっても気になります!更新頑張ってください! (2015年9月22日 4時) (レス) id: 7a7fc6dd0e (このIDを非表示/違反報告)
いぶ(プロフ) - 続き気になります!更新がんばって~!! (2014年6月29日 14時) (レス) id: e43983a375 (このIDを非表示/違反報告)
灯羽永 - 面白かったです!続き気になります!!!!更新頑張って下さい!!!! (2014年3月8日 10時) (レス) id: 934b1f4a2b (このIDを非表示/違反報告)
蓮華(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!更新頑張って下さい!! (2014年1月6日 23時) (レス) id: eb9015cbbe (このIDを非表示/違反報告)
モヘア - つっ...続きが気になります...!!!どうぞ、更新頑張ってください...! (2013年11月28日 19時) (レス) id: fd6856bf8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三日月リイア | 作者ホームページ:書き込み不可ですっ[壁]。。;)
作成日時:2013年7月17日 21時