プロローグ ページ1
冬、誰もが幸せになる季節。
キラキラの街には、 裸の街路樹、赤の帽子が似合うおじさん、 多くの恋人が愛を戯れている。私はそこでただ一人、冷えた手に息を吹きかけて、ぽつりぽつりと歩いていた。
羨ましい、そう思う事が多かった。この道十何年生きていて、恋人たるもの一人も居ない私だ。
その理由は自分にある事は承知している、でもそれは直そうにも直らず、ただ根本的に「うざい」「うるさい」「個性が無い」その三点通りというわけだ。
それが理由かとして友達も気づけば離れていく始末だ。初めはかなり衝撃的で傷ついたが今ではそうでも無くなった。心が慣れてしまった、という事だ。
「なんだろなあ……。」
ボソ、と呟いた言葉もすぐに街に溶けてしまう。
ー ー ー ー ー ー
今私が向かっているのは最寄り駅である。一人で過ごすクリスマスなんて御免だ、どうせなら何処か遠くへ行こうという糞どうでも良い考えから今足を進めている。
っていうのは嘘で、 最寄り駅では無くて、
此処はただの線路の上で、
電車で一人揺られて1時間かけて着いたここは家から離れた遠くの田舎なのだ。
どうして此処に来たのか、その答えは明確だ、
少し、挑戦をしようと思った。
自分の勇気がどこまで有るのか、
どこまで怖がらずに飛んでいけるのか。
だから今、此処に居る。
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作者名:いもけんぴの剣 | 作成日時:2018年1月23日 0時