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橙side
よぉーし！
今日の撮影も巻いたでー
なんかスタッフさんが焦っていたけど
まぁみんな早く帰れるならええやろ？
帰る準備をしているとスタッフさんから
撮れてなかったのがあるから待って欲しいと言われた
なんやねん。折角早く終わったのにー
まぁ仕方ない
スタジオが整うまで俺は待つかー
しゃーないとスマホを取り出す
1人やし誰にも見られへんやろうと
隠し撮りしていた淳太くんの映像を眺める
可愛い人やなぁ…
そういえば淳太くんの仕事も早く終わりそうやったから
ご飯にでも誘ってみようかな？
電話でもするかと
アプリを起動すると丁度淳太くんからの着信
こんな所までぴったりなんか俺らやっぱり
運命共にしてるわ迷わずに通話を押す
犯「中間は預かった」
橙「あ”？」
犯「か、返して欲しくば今から指定する場所へ現金を持ってこい」
橙「お前誰じゃ」
淳太くんの声が聞けると思ったのに聞こえてきたのは
機械音のような声やったから苛立ってしまう
犯「今、ビデオ通話にした」
何言ってるんかよく分からへんけど
画面を見ると縛られて寝ている淳太くんの姿
橙「おぃ、お前覚悟は出来てるんやろうな」
犯「無事に返して欲しいなら早く持ってこい」
そう言って通話が切れた
なんやねんコイツ
直ぐに金額と地図が届く
この金額で淳太くんと交換？
アホちゃう
俺の大切な人はこんな安くない
自分の荷物をもって立ち上がる
ス「桐山さん！」
橙「お、悪い！急用でな。ごめんやけど失礼するわー」
ス「あ、はい。わかりました」
橙「そういえばさ、さっき置いてたお金借りられへんかな？」
ス「え？別にいいですけど…」
橙「安心してな？今日中に返しに来るから」
ほな！と手を振り急いで車へ
ん？いや待てよ…
さっきのスタッフさん妙に俺が出ていくのを止めなかったし
お金も止めれんかった…
撮影中はあんなに引き留めようとしてた癖に…
なんか変やなぁ…
まず、淳太くんがなんで誘拐されるのか…
芸能人なんか狙ったら大事になるから
お金目的なら子供とか狙いそうやのに…
運転しつつ頭をフル回転させる
頭に浮かんだのは『ドッキリ』の文字
もしかしたらそうかも
でも騙されたーって
淳太くんの笑顔を見ながら言えるまで
犯人に対しての憎悪の感情は消えへんのやろうな
行った先で
「照史も引っかかったん？」て
笑う淳太くんがおる事を信じて今は急いでおくか
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作者名：あい
| 作成日時：2022年6月17日 23時
