検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:50,314 hit

・・ ページ4

k-chan side

連れていかれた先は撮影部屋。
山本さんは部屋につくなり俺をソファに投げ込んだ。

呆然としている俺をよそに、山本さんは近くにあった椅子を持ってきてソファの横に置き、それから壁にかけてあった自分の上着をとって乱雑に俺に投げる。

「寝るまで見張ってるから」

そういうと、椅子に座り俺のパソコンを開いた。いつの間に持ってきたんだろう?

「,,,なんで、俺にこんなことしてくれるんですか」
「僕は、こうちゃんの恋人だから」

一瞥もせずにそんなことを言う。

ますます呑み込めなくて黙っていると、山本さんはふと手を止めてこちらを見た。

「こうちゃんはさ、なんで1人で頑張るの?」
「,,,人に、迷惑かけたくないから,,,」
「ほら、またいった」

山本さんはパソコンを閉じると、俺に向き直った。上から見下ろされる感覚が新鮮で、ちょっとくすぐったい。

「僕は、頑張るこうちゃんが好き。仕事のペースがゆっくりなのは、こうちゃんが人より真剣に、完璧に、こだわって取り組んでる印だよ」

まっすぐな瞳が、俺を射抜く。

「だけど、大変なんだったら他の人を頼ってもいいんだよ。それが仲間だから」
「,,,仲間」
「うん。だから、あんまり1人で抱え込まないで。皆心配してるんだよ?」
「みんな,,,?」
「そ。あんまり根を詰めてもミス増えるでしょ?休むのだって大事。実際、まだ今ある仕事全部終わってる人いないみたいだしさ」

見透かされてるのか?

「こうちゃんの性格からすると人に言い出しにくいのは想像できるからいうの迷ってたんだけどさ,,,
もし他のメンバーにいえなくても、僕のことは頼ってほしい。一番こうちゃんを支えたいのは、間違いなく僕だからね」

はきはきと喋る俺の恋人。きっと今日まで連日の収録で疲れてるはずなのに、こんなに俺のこと考えてくれてたのか。

ありがとう。ごめんなさい,,,

・・→←・・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
168人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月8日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。