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ymmt side
最近こうちゃんの様子がおかしい。
ずっとオフィスに泊まり込んで、何かにとりつかれたみたいにひたすらパソコンと向き合っている。
割とマメにしていたLINEも少し前からぱたりとなくなった。
僕自身テレビの仕事をいただいたりしてあまりオフィスに顔を出せていなかったのだが、どうやらその間も泊まり込みで働いてたそうで,,,
心配で遠くからこっそり見ていると、上から声が降ってきた。
「ここ一週間くらいずっとああなんだよね」
「須貝さん」
「お帰り、山本。収録は?」
「あ、無事に全部終わりました。今日からデスクに復帰します!っそれで、1週間って?」
「そー、もう帰ってないみたい。1週間のうち1日は休まないと法律違反で伊沢が捕まっちゃうのにさー」
「あー,,,今仕事量多いですよね、こんなときに抜けてすみません」
「山本だって仕事じゃん!謝らないの」
「でも、こうちゃんが,,,」
「うーん、仕事の分担増えたしそれに加えて企画中のものもあるみたいなんだよな。仕事もらうよって言うんだけど、うわごとみたいに『大丈夫です』っていうだけでねぇ,,,
こうちゃん、こういうとき独りで抱え込みがちだしなぁ。あ、山本がアプローチしたら、何か反応あるかもよ」
いちゃラブしてこい!俺も恋人ほしいよー!と叫ぶ須貝さんをおいて、こうちゃんの元へ向かう。
「こうちゃん」
「,,,山本さん?」
驚いたこうちゃんが一瞬こちらを向く。くまができて、目が血走っている。
本人もそれが恥ずかしいと感じたのか、ぷいとパソコンに向き直ってしまった。
「,,,どうしたんですか」
「どうしたんですかじゃなくて、こうちゃんが心配なんだよ」
「俺は大丈夫です」
「どっからみたって大丈夫じゃないよ,,,」
「大丈夫ですから」
語気が強くなった。冷たい声が胸に刺さる。
「すみません、俺は大丈夫なんで、山本さんも気にしないで下さい」
そういうと、こうちゃんは仕事に戻ってしまった。とりつく島もないって、こういうことか,,,
重い足取りで部屋を出ると、そわそわしていた須貝さんがいた。
「どうだった?」
「,,,駄目でした。聞く耳もってくれなくて」
「そうかぁ」
大変なときに頼ってもらえないのが、こんなに辛いなんて気づかなかった。
「須貝さん、僕今日泊まります」
「無茶はするなよ」
「はい」
さて、どうやって頑張りやさんのこうちゃんを振り向かせようかな?
色々と思案しつつ、僕もデスクに向かった。
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作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月8日 21時