108話 ページ12
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A「...ど、どうかしましたか!?」
叫び声を聞き付けたのか肩で息をしながらラジエーションハウスへと入って来たA。
広瀬「えっ...あ、大丈夫です何もないです!ちょっと暗闇で驚いちゃっただけなので...」
Aは苦笑いして応える広瀬を見て若干首を傾げるが「そうでしたか」とほっと息をついた。
広瀬「...それにしてもこんな時間に何してるんですか?」
広瀬は検査の準備を進める五十嵐へ問いかける。
五十嵐「これから検査なんです。困っている患者さんがいて。」
A「広瀬さんは今日は当直ですか?」
広瀬「あ...はい...初めての1人当直で.....」
すると広瀬は溜め息と共に漏らしていく。
広瀬「...お二人は誰かさんとは大違いですね。軒下さんオンコール当番なのにデートしてるんですよ?患者さんより自分が優先なんです...あの人。」
広瀬の呟きに苦笑いしてしまいそうになるが、Aはふと軒下が普段撮影している画像について思い出す。
...あんなに綺麗な画像を撮る人が自分を優先するだろうか...?
五十嵐「そんなことないと思いますよ。」
Aの思考に共感するかのように五十嵐が応えた。
すると五十嵐は「あ、そうだ ちょっと待ってて下さい」と言ってキーボードを叩いていた手を止め、自身のデスクへ何かを取りに行き、それを広瀬へと手渡した。
五十嵐「...コレ、あげます。夜勤頑張って下さい...!」
A「...?」
何だろう...何か飲み物のような...
ペットボトルを渡した後、五十嵐は彼女と目を合わせることを避けるように放射線室へ入って行った。
広瀬は「ありがとうございます!」と頬を緩めるが、スッとボトルに視線を落とした途端表情を固める。
A「...広瀬さんに何あげたんですか?」
Aは小声で五十嵐に尋ねる。
五十嵐「えっ!!.....えっと.......のに茶です...」
それを聞くとAは口元を引きつらせて手を当てた。
A「うわぁ...もしかして院長から貰ったもの押し付けました?」
五十嵐「.....」
特に否定をせず視線だけを逸らす五十嵐。
放射線室の窓から広瀬が持つボトルを見てみると、そこには"のに 活力"と大きな字で印刷をされたパッケージが備わっていた。
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時