52話 ページ4
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院長室に残った大森と五十嵐。
五十嵐はなんとか気合いで飲み干せたカップを見てほっとしていると、大森が口を開いた。
大森｢...伊東先生、甘春先生や鏑木先生が読影を終えた写真の見直しをしているようね。｣
五十嵐｢...！...院長もご存知だったんですね。｣
視線を落とすと、再び院長は僕のカップにお茶を注ぎ始めていたので慌てて｢大丈夫です｣と言って止める。
大森｢相当医師が"誤診"をすることを恐れている...それも自分を見失ってしまいそうなほどにね。｣
五十嵐｢.....｣
彼女の苦しそうな表情を思い出し僕は拳を握る。
僕に何か出来ることはないのだろうか.....
大森｢そんなの、簡単なことじゃないかしら？｣
五十嵐｢...えっ？｣
僕は顔を上げて、あの優しげな表情を浮かべている院長を見つめる。
五十嵐｢...もしかして声に出てました？｣
恐る恐る問いかけると、院長は｢しっかり漏れてたわよ｣と言って笑った。
若干気まずさを覚えながら謝っていると院長は微笑む。
大森｢...誤診なんて出来ないほど綺麗な写真を撮っちゃえばいいんじゃない？｣
五十嵐｢...！｣
また、｢それに｣と言って院長は続ける。
大森｢五十嵐くん。貴方にしか出来ない"彼女を支える方法"がきっとあるはずよ。｣
五十嵐｢...僕にしか.....出来ない...｣
そう反芻していると、パタパタと廊下に響く足音が聞こえてくる。
伊東さんが戻ってきたのだろうか。
大森｢...五十嵐くん。貴方なら、きっと彼女を救うことが出来るわ。｣
五十嵐｢...！...院長、それはどういう、｣
A｢すみません、戻りました...！｣
ガチャリ、とドアノブを回す音と共にタブレットを抱えた伊東さんが現れる。
...院長の言葉の意味を聞き損なってしまった。
五十嵐｢...あ、えと...｣
僕がもごついていると、院長は軽くウインクをしてから口を開いた。
大森｢...頑張ってね、五十嵐くん。｣
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A｢...どうかしました？｣
五十嵐｢...へっ？｣
住宅街を歩いていると、伊東さんが問いかけてくる。
A｢私の顔に何か付いてます？｣
五十嵐｢...えっ、あ、いえ...｣
帰宅途中、無意識的に彼女を見つめてしまっていたようだ。
顔に熱が集まってくるのを振り払い、｢何でもないですよ｣と笑った。
すると彼女も連られるように笑う。
何故だろうか、その笑顔を守りたいと思ってしまったのはーーーー
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奏奏奏(プロフ) - リディア94さん» ありがとうございます…！大変遅れまして申し訳ありません！続編を作成致しました！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - すごくいいところで話が終わってる…ものすっごく素敵で面白い話なので、続き早くみたいです！！！更新待ってます！ (2019年7月16日 15時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - あいちゃむさん» ありがとうございます！毎日少しずつではありますが頑張っていきたいと思います´`* (2019年6月29日 12時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃむ(プロフ) - 毎回、更新楽しみにしてます！継続は大変だと思いますが、無理をなさらず可能な範囲で。。 (2019年6月29日 1時) (レス) id: a51c69fc03 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - 茉莉花さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…*_ _) (2019年6月13日 22時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年6月13日 20時
