63話 ページ15
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辻村｢...それだけじゃパワー出なくないですか...？｣
A｢...パワー、ですか？正直早く食べれて脳が働けばそれでいいと思っていますので...十分ですよ。お昼は必要なければ食べないことも多いですし...｣
そう言ってからコーヒーが入ったコップに口を付ける。
辻村は一瞬考えるような仕草を見せてから、袋の中からサンドイッチを取り出し、Aの前へ差し出す。
辻村｢...食べなよ。脳が働いたとしてもそんな生活を続けていたらいつか倒れるかもしれない。｣
A｢...えっ。そんな、大丈夫ですよ！｣
両手を胸の前で振るAだが、次の辻村の言葉によって押し黙ってしまう。
辻村｢...もし安藤先生が倒れるようなことがあったら放射線科医の先生だけじゃなく、他の先生達にも迷惑がかかると思うんだけどなぁ。｣
A｢う.....じゃあ、すみません。ひとつ頂きます。｣
Aは軽く頭を下げてからサンドイッチを齧る。
新鮮な野菜とハムの食感が酸味の効いたマヨネーズと絶妙にマッチしていてとても美味しかった。
辻村｢忙しかったとしても食事だけはちゃんと摂った方がいいと思うよ。...君は色々と大変な立場だと思うし、ストレスだってあると思うからね。｣
A｢えっ、私大変な立場なんです？｣
首を傾げるAを見て辻村は苦笑いする。
辻村｢新米医なのに勝手すぎる、とか言われたりしなかった？｣
Aはふと以前乳腺外科医に言われた言葉を思い出す。
．．．
｢...最近、新米医である貴女の行動は問題視されています。もう少し立場を考えた方がいいのでは？｣
．．．
A｢...そういえば言われてました。｣
同じように苦笑いして応えるA。
すると辻村は立ち上がり、Aに背を向けたまま呟く。
辻村｢僕はそうは思わないけどね。｣
A｢...え？｣
辻村｢勝手な行動だったとしても、君は最後には病変を見つけてみせた。...患者のためにね。｣
彼は整った口元を上げたまま続ける。
辻村｢...君は本当にすごいと思うよ。｣
ポカンと口を開けたままのAに｢じゃあ、カンファレンスがあるので失礼します｣と言って去って行く辻村。
そんな彼が、小さくこう呟いていたなんて、Aは全くもって気が付かなかった。
辻村｢.....僕と違って、初めから何もかも"診えている"君は。｣
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奏奏奏(プロフ) - リディア94さん» ありがとうございます…！大変遅れまして申し訳ありません！続編を作成致しました！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - すごくいいところで話が終わってる…ものすっごく素敵で面白い話なので、続き早くみたいです！！！更新待ってます！ (2019年7月16日 15時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - あいちゃむさん» ありがとうございます！毎日少しずつではありますが頑張っていきたいと思います´`* (2019年6月29日 12時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃむ(プロフ) - 毎回、更新楽しみにしてます！継続は大変だと思いますが、無理をなさらず可能な範囲で。。 (2019年6月29日 1時) (レス) id: a51c69fc03 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - 茉莉花さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…*_ _) (2019年6月13日 22時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年6月13日 20時
