90話 ページ42
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僕は院長に｢詳しく聞かせてください｣と言って話を続けてもらうよう促す。
大森｢確か...あの時.....｣
．．．
大森｢あの伊東先生が来てくれたのはすごく嬉しいけど...どうして"伊東A"であることを隠す必要があるの？｣
A｢私にもよくわからないんです。...でも、師が"安藤"というラストネームを下さったので...！｣
．．．
五十嵐｢...！｣
じゃあ...本当にピレス教授が"安藤"を...
でも、どうして？
そんなことを考えていると、院長がおもむろに口を開いた。
大森｢でも、貴方にも今回の伊東先生を見て少しわかったんじゃない？...
五十嵐｢.....｣
大森｢...目の前に助けたい患者がいても、治療を行えない。｣
五十嵐｢治療することだけが患者を救うことではないと思うんです...それに、IVRの分野でも技師だからこそ出来ることがきっとあるはずなんです...！｣
僕は小さく応えると、院長はいつもよりも僅かに鋭い表情を浮かべる。
大森｢...鏑木先生が...貴方の行為が医師法に抵触する可能性があると指摘してきたわ。｣
五十嵐｢.....｣
大森｢あくまで、"技師"として働きたいのなら...もう少し慎重に行動すべきね。｣
五十嵐｢...はい。｣
僕が頷くと、院長は意図の読み取ることが出来ない表情で問いかけてくる。
大森｢.....でも、もし貴方の目の前に"本当に治療を必要とする患者"が現れた時...
伊東先生も含めて、あなた達は何もしないでいられるのかしら。｣
五十嵐｢.....｣
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院長の言葉が胸に引っかかったまま、僕は屋上へと向かう。
イヤホンを装着されたタブレット端末を抱え、重い屋上の扉をゆっくりと開いた。
僕は端末に表示されている時刻を確認した後、とある人物へ通話をかけ始める。
...今は22時過ぎ...向こうだと9時ちょっとか...
若干の申し訳なさを覚えつつ、イヤホンを耳に当て、コール音に耳をすませる。
そして応答が聞こえた後、僕は口を開いた。
五十嵐｢...Hello, this is Igarashi. I apologize for the short notice. Do you have a few minutes to spare.....Dr.Pilles?
(もしもし、五十嵐です。突然の連絡申し訳ありません。数分お時間割いてもらえますか、ピレス教授)｣
僕は空を見上げ、そう応える。
今夜は新月のようだ。
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ラストネーム･･･姓、名字
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奏奏奏(プロフ) - リディア94さん» ありがとうございます…！大変遅れまして申し訳ありません！続編を作成致しました！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - すごくいいところで話が終わってる…ものすっごく素敵で面白い話なので、続き早くみたいです！！！更新待ってます！ (2019年7月16日 15時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - あいちゃむさん» ありがとうございます！毎日少しずつではありますが頑張っていきたいと思います´`* (2019年6月29日 12時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃむ(プロフ) - 毎回、更新楽しみにしてます！継続は大変だと思いますが、無理をなさらず可能な範囲で。。 (2019年6月29日 1時) (レス) id: a51c69fc03 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - 茉莉花さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…*_ _) (2019年6月13日 22時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年6月13日 20時
