74話 ページ26
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Aは手首の僅かに上の部分に複数個薄い打撲痕があることに気が付く。
五十嵐｢...！｣
そして少年の持ち物と見られるグローブと財布に視線を落とした後、広瀬の｢心臓震盪って...？｣という質問に応える。
A｢胸骨がまだ未発達な子供の胸部に衝撃が加わることにより心臓が停止してしまう状態のことです。｣
小野寺｢...でも、致命的な外傷がないからと言って心臓震盪とは限らねェだろ？｣
甘春｢内臓に疾患があったとか...｣
辻村｢既往歴を確認しましたが、特に持病は無かったので...
上に向かってボールを投げ、それをキャッチしていたという目撃情報があります。...例えば、取り損ねてボールが胸に当たったとか...｣
そこまでの説明を受けると、小野寺は｢まあ...｣と言って切り出す。
小野寺｢...詳しいことはAiで見てみるか...｣
すると辻村が若干視線を落としながら｢それが...｣と呟いた。
辻村｢...遺族の方がAiを希望しない、と言っています。｣
A｢...！.....遺族の拒否...｣
甘春｢...ひとまず、遺族の方にお会いしに行きましょう。｣
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処置室を出ると、少し先の長椅子に腰掛ける夫婦がいた。
看護士は｢あちらがご遺族の方です｣と言って元の持ち場へと戻って行った。
甘春｢...藤本さん、放射線科の甘春と申します。｣
A｢同じく放射線科の安藤と申します。｣
Aは頭を下げてから概要の説明を甘春へ促す。
甘春｢Aiの実施の件ですが...もう一度考え直して頂けないでしょうか？｣
するとご主人の方がかなり苛立った様子で顔を上げながら呟く。
藤本父｢いつまで待たせンだよ.......返せよ息子を！！！！...とっとと家に連れて帰りたいんだよ...下の子もね...ずっと待ってるんですよ！！！｣
彼らの目は焦点が合っておらず、息子を失った悲しみに堕ちているように見えた。
甘春｢お待たせしてしまい申し訳ありません...ですが、Aiをやれば身体の表面からではわからない本当の理由が写真に写るかもしれないんです。｣
藤本父｢こっちは必要ないって言ってるんですよ...！！！｣
甘春｢Aiはメスを入れる解剖と違って大切な息子さんに傷をつけることはありませんし...｣
ご主人は拳を握り締め、涙を流しながら枯れた声で叫んだ。
藤本父｢死んだ人間を写真に撮って...何の意味があるんですか...！？｣
Aはそんな彼を見て口を開く。
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奏奏奏(プロフ) - リディア94さん» ありがとうございます…！大変遅れまして申し訳ありません！続編を作成致しました！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - すごくいいところで話が終わってる…ものすっごく素敵で面白い話なので、続き早くみたいです！！！更新待ってます！ (2019年7月16日 15時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - あいちゃむさん» ありがとうございます！毎日少しずつではありますが頑張っていきたいと思います´`* (2019年6月29日 12時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃむ(プロフ) - 毎回、更新楽しみにしてます！継続は大変だと思いますが、無理をなさらず可能な範囲で。。 (2019年6月29日 1時) (レス) id: a51c69fc03 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - 茉莉花さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…*_ _) (2019年6月13日 22時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年6月13日 20時
