【銀魂】小さなお侍さん

第１９話『廊下は走るためにある』 ページ20

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『廊下は走っちゃいけません！！』

「はっ、お前もだろィ？」



20センチから30センチくらいは身長差がある相手から何十分も逃げられてる私、もしかして天才かもです。


......そろそろ限界ですが、それはあっちも同じようなので私は頑張ります。




『はっ、はぁッ......私はまだ死にませんっ』


「はっ、それは、どうかねィッ」




え、と声を発する暇もなく、沖田さんが何かを構えたような音がした。


待ってください、ん？か弱い女の子に何を向けてるんでしょう。




考える余裕もなく、どんっという低く大きな音。


間一髪で避けたが、私の足はもう動かなかった。




「ふっ、やっと止まりやしたねィ」

『10才のか弱い女の子にバズーカ撃つなんてどういう神経ですか』



キッと睨み付けながら言うと、沖田さんは一瞬驚いたように目を見開いた。



「へえ......10才。お前そんなにちっちゃかったんだねィ。ふっ」


『今馬鹿にしましたよね、完全馬鹿にしましたよね』




ドSの笑みを崩さずにこちらを見下ろしてくる沖田さんに観念してカメラを渡すと、その場でデータが全消去された。


ま、負けた訳じゃないです。私が大人になってあげただけです。




沖田さんはそれで満足したようで、くるりと踵を返すと「もう一眠りすっかねィ」と歩いていった。



否、歩いていこうとした。




いまだに足が使い物にならない私の前でしゃがみこむと、無言で私を持ち上げる。


え。あの、ちょっと理解が追い付かないんですけど。

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