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決して無理矢理くっつけようとしている訳でもなく、ただどちらかがちゃんと好きならば応援するレベルのレオとオリビアの恋路()は、少なくとも今は始まっていない。
それでも_
「ほら、そのバスケット貸して。色々入ってるみたいだし重いだろ」
なんて爽やかな笑顔で言っているのを見てしまったらニヤニヤしてしまうし、応援したくなるのは人間の性のはず。
【注】決してレオがオリビアだけに優しい訳では無いし、きっとカトレアかソフィアが持っていたらレオは同じようにしている_
「持ってくれんの?さっすがレオ!やっさし〜!!」
「全く都合の良い奴だな...」
バスケットをレオに渡して、テンション高く歩くオリビアからは相当ピクニックへの期待が見て取れる。
「ふふん、ちゃんといつも優しいのは知ってるから」
くるっと振り向いて悪戯げに笑う姿に、おもわずレオは苦笑した。
呆れたように苦笑するレオの耳がほんのりと染まっているのに気づいたのはきっとカトレアだけだろう。
「ほら、カトレアとソフィアも早く〜」
「あ、おい!ちゃんと前見ないとぶつかるぞ!!」
後ろを向いたまま歩くオリビアに注意するよう言うレオだったが、もう遅い。
「うわッ!!」
曲がり角でぶつかって転びそうになったオリビアを、レオが手を引いて引き止めた。
「おいおい、気をつけろって言ったばかりだろうが...」
「オリビアちゃん!?大丈夫?」
『気をつけないと...って、アシェルじゃない』
2人から少し遅れて歩いていたカトレア達が駆けつけると、スリザリンのローブを着たアシェルが数冊の本を廊下に散乱させて尻もちをついていた。
彼の取り巻き達が見れば烈火のごとく怒鳴り散らしそうな姿だが、生憎と彼らはアシェルに撒かれて居ない。
『大丈夫?怪我はない?』
「ああ、ありがとう。怪我はないよ」
カトレアの手を借りて立ち上がったアシェルは、杖を振ってローブにスコージファイをかけて汚れを落とす。
「あの、ぶつかってごめん」
「別に気にしなくていい」
カトレアを前にした時と違って完璧に無表情で素っ気ない態度のアシェルに苛ついたオリビアだったが、元はと言えば前を見ずに歩いてぶつかったオリビアが悪いのだ。
『そうだ、私たちこれから外でピクニックをするの。アシェルも一緒に来ない?』
「「「「え...?」」」」
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雅 - とても面白いですっ!!物語が丁寧だし読みやすい…更新頑張ってください!! (2月6日 22時) (レス) @page8 id: cc7c78e963 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - ものすごく面白いです!!更新頑張ってください! (2021年11月29日 19時) (レス) @page45 id: a84d0456a3 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - 蒼月さん» はい!私のイメージだとそうです!! (2021年9月27日 10時) (レス) id: b0c551b146 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 宵桜の館さん» なるほど!! 例えば、夢主の近くにいる不死鳥をフォークスのような紅だとしたら、夢主のアニメーガスはONEPIECEのマルコのような蒼_とかで合ってますか? (2021年9月26日 12時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - 初めまして、楽しく読ませてもらっています!不死鳥は、色を変えてみては如何でしょうか?あくまで個人の意見ですし、蒼月さんの考えに添えているか分かりませんが... (2021年9月26日 12時) (レス) @page43 id: b0c551b146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年5月20日 21時