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赤、赤、赤、赤、緑。サワサワと風が吹き抜ける中庭に2色が混じり合う。
楽しそうに笑っているのはカトレアのみで、あとは無表情だったり、気まずそうだったり、オドオドしていたりと、傍から見ればカオスだった。
三者三様の反応をしているくせして、カトレア以外の人が思うのは一致しているという事実。
どうしてこうなった...
『ふふ、突然ごめんなさい。でも、みんなにアシェルを紹介してなかったし、アシェルにもみんなを紹介してなかったでしょう?
お互いに私の友達なのだから、みんなで仲良くしたいわ』
微笑むカトレアを前に、一番に口を開いたのは意外にもオリビアだった。
「ふん、オリビア・フレンチよ」
普段カトレアや他の寮生と話す時の親しみやすさは何処へやら、"カトレアが言うなら仕方ない"とでも言いたげな態度でそっぽを向いて無表情で名前だけを言うオリビア。
これではアシェルの無表情をとやかくは言えないほどだ。
「あ...えと、ソフィア・イリング、です...」
元々人見知りの激しいソフィアは、聖28一族筆頭のフォーリー家嫡男との面合わせに縮こまり、どもりながら挨拶をする。
「レオ・アルバートだ」
他の2人と比べれば少々マシではあるが、気まずそうな顔のレオは茶色の髪をガシガシと掻く。
「...アシェル・フォーリーだ」
アシェルもアシェルで、なんとも言いようのない感情でありながらも、無表情を貫いて友人の友人と接していた。
人の感情に機敏なカトレアは、なんとも複雑で気まずい空気を察していた。
それでも、初めは仲の悪かったオリビアとソフィアが仲良くなれたように、自分の大切な友人達なら互いに仲良くなれると信じていた。
『みんな私の大切な友達だから、どうしても紹介したくて...
今日会ったのは偶然だけど、お互いに知っていたとしても紹介できて良かったわ!』
美しく、それでもってとても満足気に笑うカトレアに、正直アシェルと仲良くすることに乗り気ではなかったオリビアが「うっ」と詰まる。
なんか、とてつもなく眩しい。
カトレアの顔が美しく整っているのも知っていたはずだった。しかし、こんなに眩しかっただろうか。
こんなキラキラとした笑顔で言われてしまったら、仲良くする事に躊躇っていた自分たちが悪いみたいではないか...
「はぁ...仕方ないわね。カトレアに免じて一応は仲良くしてあげるわ」
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雅 - とても面白いですっ!!物語が丁寧だし読みやすい…更新頑張ってください!! (2月6日 22時) (レス) @page8 id: cc7c78e963 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - ものすごく面白いです!!更新頑張ってください! (2021年11月29日 19時) (レス) @page45 id: a84d0456a3 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - 蒼月さん» はい!私のイメージだとそうです!! (2021年9月27日 10時) (レス) id: b0c551b146 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 宵桜の館さん» なるほど!! 例えば、夢主の近くにいる不死鳥をフォークスのような紅だとしたら、夢主のアニメーガスはONEPIECEのマルコのような蒼_とかで合ってますか? (2021年9月26日 12時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - 初めまして、楽しく読ませてもらっています!不死鳥は、色を変えてみては如何でしょうか?あくまで個人の意見ですし、蒼月さんの考えに添えているか分かりませんが... (2021年9月26日 12時) (レス) @page43 id: b0c551b146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年5月20日 21時