ホグワーツの天才児

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姉がとある魔法学校に旅立って数日。白い羽のフクロウが森の麓にある小綺麗な家の前にとまっていた。

「チュニー!! お姉ちゃんから手紙きた!! 」
「本当!? 一緒に読みましょ!! 」

送り主と同じ目をした赤毛の少女と送り主と同じ髪のブロンドの少女は、フクロウが咥えた手紙を受け取り、2人で覗き込む。

羊皮紙には、何度も見た事がある姉の字が描き綴られている。

〖 大好きな家族のみんなへ

ホグワーツに入学してから2日が経ちました。

城の中はとても広くて、動く階段が100以上もあって移動するのがもう大変...!! 壁には動く絵画、お願いしたりくすぐらないと開かない扉もあるし、半透明のゴーストもいるの。

今までとは全く違う場所に来て、凄く興奮してるし、これからの日々も楽しみにしてる。


友達が3人できたわ。2人はグリフィンドールの同じ部屋で、もう1人はスリザリンなんだけど、皆とってもいい子なの。

ホリデーになったらぜひ私の友達を紹介したいの。きっとリリーもチュニーも仲良くなれると思うわ。


長い間会うことができないけど、ちゃんとフクロウを送るわ。返事を書いたらアンバーに持たせてちょうだい。私の元まで届けてくれるわ。


愛を込めて、カトレア

追伸 私がいないけど喧嘩しちゃダメよ、リリー、チュニー。仲良くしててちょうだいね。〗


「リリー、私達もお姉ちゃんに手紙を書きましょう!!」
「そうね！」

姉妹に与えられた部屋のベッドに2人で寝転がる。

シーツの上に赤と金の糸が入り交じり、姉妹は顔を突合せて電気を消した暗い部屋の中で話をする。

内容はもちろん、姉からの手紙のこと。

「ホグワーツって一体どんなところなのかしら！行ってみたいわ」
「階段が動いて、壁の絵の中を行き来する絵画があるんでしょう？それにゴーストだって！！」
「あら、チュニーあなた怖いの？」

ワクワク顔のリリーに対して、ペチュニアはそうホグワーツに魅力を感じなかったのか、どこか不満げな様子。

「そうじゃないわよ!! ...ただ」
「ただ？」
「...なんでもない！」

ペチュニアは、動く絵画だのゴーストだのが怖いのではなく、自分の知らない力を持つ人が集まる学校というのがとても恐ろしく感じていた。

姉はいいのだ。生まれた時からずっと一緒で、どれだけ自分の知らない力を持っていようとも、それを自分に向けることはありえない。そう信じているから。

「お姉ちゃんに会いたいな...」

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