ホグワーツの天才児

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ホグワーツで過ごす7年間の寮を決める組み分け。

新入生が呼ばれれば皆が沈黙し、固唾を飲んで見守る。

自分の寮に呼ばれれば歓声を上げて喜び、拍手で迎え入れる。

そして運命の組み分けがやってくる。

「エバンズ・カトレア！！」

ヴィーラの様に美しい容姿、ピンと伸びた姿勢で堂々と歩くその姿に皆が視線を奪われる。

騒がしかった大広間はいつの間にか静まり返っていた。

＿心を閉ざせ。見られるな。

記憶を大きな箱にしまって蓋を閉めて鍵をかける。

組み分け帽子が見るのは私の記憶だけ＿

椅子に座って目元が完全に隠れてしまう大きな帽子を被れば、耳元で聞こえる低い声。

「フーム...難しい。実に難しい。勇気に満ちている。才能もある。頭も良い。人を気遣える優しさもある。目的のためなら手段を選ばない狡猾さも。

うん？これはこれは...お嬢さん、この閉ざされた箱は君がやったのかね？」
『ええ。これは私だけの大切なもの。誰であれ、覗くことも、排除することも許されない。来るべき時が来れば正しき人と共有するでしょう』
「ふぅむ...ならば無理には聞かないでおこう。この歳にしてここまでの閉心術を会得しているのは非常に稀だ。

君ならどこに入っても上手くやって行けるだろう。さて、どこにいれたものか...勇気溢れるグリフィンドール、狡猾のスリザリン、献身のハッフルパフ、英智のレイブンクロー...実に悩ましい...

おお、そうじゃ。君の考えで決めるとしよう。君はどこに行きたい？」
『...どこへでも。いつかこの箱を開ける時、そばに居てくれる友人が作れれば十分です。』
「無欲だのう...いや、それならば...グリフィンドール!!」

組み分け帽子の大きな声に大広間が沸いた。

話している時はそこまで長くは感じなかったが、カトレアと帽子が話していたのは実に6分半。

組み分け帽子が5分以上悩む 組み分け困難者(ハットストール)である。

散々悩んだ挙句にグリフィンドールに入った美しい少女にダンブルドアですらも拍手を送る。

帽子を下ろしてグリフィンドールのテーブルに駆け出したカトレアを、グリフィンドール生が拍手と歓声、ハグで迎え入れた。

そしてカトレアの組み分けから程なくして、少年の名が呼ばれる。

「フォーリー・アシェル！！」

一瞬静まり返った後、噂をする声が囁かれる。

ざわめきが止まない内＿1分も経たない内に帽子が叫ぶ。

「スリザリン!!」

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