ホグワーツの天才児

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「あの人の後に呼ばれる子かわいそ」

カトレアの隣に座る茶色がかった金髪をポニーテールにしたオリビア・フレンチが高い鼻を ﾌﾝ と鳴らして言った。

彼女がそういうのも無理はない。

アシェルはキラキラと輝く白銀の髪、色鮮やかな複数色の瞳、無表情であるが故にまるで作り物かと錯覚してしまうような整った容姿。

『あら、オリビア。そんなことを言っては可哀想よ。もしかしたら私達の友達になる子かもしれないじゃない。』

でも、先程グリフィンドールに選ばれたカトレアだって負けてない。

組み分け困難者(ハットストール)ではなかったとしても、注目を浴びていただろう。

美しくなびくブロンドに、ビスクドールのように整った顔、陶器のように透き通った肌、一般的な緑よりも少し濃い翡翠の瞳、無表情のアシェルよりも人間味のある整った容姿。

少なくともオリビアは名前を呼ばれても、スリザリンに選ばれて歓迎されても、緊張する様子も喜ぶ様子もなくただただ無表情のアシェルよりも、こうして手を握れば微笑んで握り返してくれる友達((夢主の名前))の方が容姿も性格も綺麗だと思っていた。

しかし、こればかりはカトレアの言ったことが信じられなかった。

「あれが？」

たった今グリフィンドールに組み分けされた ソフィア・イリングは走ってテーブルに行こうとしたが、無情にも ﾍﾞｼｬｯ と転んだ。

あんなドジでなんにもない所で転ぶような子が天使で女神のようなかわいさのカトレアと友達になる？

そればかりか、オリビアはソフィアと自分は正反対の性格＿絶対に合わない＿と確信している。

『あら、以外と正反対の方が上手くいくかもしれないわよ』

オリビアの手からするりと抜け出したカトレアは、恥ずかしそうに椅子に座るソフィア・イリングの元に向かう。

ﾄﾝﾄﾝ 「ﾋｬｯ」

縮こまっているソフィアの肩を軽く叩けば、小さく聞こえた悲鳴とともにその小さな体が ﾋﾞｸﾘ と跳ねる。

『驚かせてごめんなさい。良かったらこれを使ってちょうだい』

差し出されたのは綺麗なハンカチ。え？と戸惑うソフィアに、カトレアは頬を指して血が滲んでいることを伝えた。

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