ホグワーツの天才児

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結局、ホグワーツに着くまで2人っきりの旅だった。

(途中で何人かの生徒がアシェルを探しに来たが、彼が追い払った)

1年生とは思えないような高度な魔法のことを議論したり、アシェルがカトレアに精霊の話をしたり。

他にも家族のこと、好きなことなど、たとえ他の生徒との交流は無くとも、それは2人にとって有意義な時間だった。

「もうすぐホグワーツに着くようだね」
『そうね、楽しみだわ。どの寮に組み分けされるのかしら』

カトレアの言葉に、アシェルの顔が曇る。

アシェルとカトレアが同じ寮になることは余程のことがない限り、ありえない。

なぜなら、アシェルが純血の聖28一族で、カトレアはマグル生まれだから。

アシェルはスリザリンかレイブンクロー、カトレアはスリザリン以外の寮に行くだろう。

「ねえ、カトレア...その、もし僕らが違う寮になっても『私たちはいつまでも、変わらず友達よ。たとえ、私が聖28一族である貴方と親しくしていることで疎まれたとしても、貴方がマグル生まれである私と親しくしていることで馬鹿にされたとしても、今日ここで過ごした時間は変わらないし、変えたいだなんて微塵も思わないわ』

キッパリと言ったカトレアに、アシェルはたじろぐ。

カトレアと過ごす時間は、親戚と話すよりも何倍も有意義で、いつまでも話していたいと願うほどだったが、それはアシェルの周りが許さない。

「...純血は厄介だよ。血筋が穢れていると、酷い言葉を投げつける奴もいる。僕は...カトレアが僕といることでそういうのがさらに酷くなるなら、ホグワーツでは表立って仲良くしない方が『嫌よ。血筋にしか興味のないお可哀想な方々になんて、私は負けないわ』

『それに...もし何かあったとしても、貴方が助けてくれるんでしょう？アシェル』

上級生顔向けの魔法の腕、優れた思考回路。それらはカトレアと話しているうちに理解していた。

でも、それらが純血であるアシェルとマグル生まれであるカトレアの仲を繋ぎ止める何かには思えなかったのだ。

けど...

「全く、君には敵わないな...降参だよ、カトレア」

カトレアがあんまりにも自信満々に言うもんだから、それを信じてしまいたくなる。

「君のことは、僕が守るよ」
『あら、私だって守られてばかりのお姫様じゃないわ。貴方のことも、私が守るわ』
「ﾊﾊｯ とんだお転婆姫だね」
『あら、お転婆なんて初めて言われたわ。王子様』

お互いがお互いを守るという誓いをした2人だった。

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