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◾️



コンコン



「入るぞ?」


『どうぞ』



あれから何分か経って、ボスは泥のように眠った。

扉を叩く音が聞こえ、その人物ははじめくんだった。私はボスを起こさないように起き上がり、扉の方へと歩み寄る。



「…やっと寝たか」


『はい』


「ありがとな」


『いえ』



流れる沈黙。

ボスの寝息すらも聞こえず、私とはじめくんだけの人影がこの部屋には残った。



















「…マイキーは」



マイキーというのは、ボスのあだ名。

なぜ急にそう呼んだのか驚いたが、はじめくんは言葉を続けた。



「兄貴を二人と妹を一人、幼馴染を一人失った不幸なヤツなんだ」


『!』



…今、彼はなんて言ったのだろう。



『(…失った)』



何がどうなったらそんな結末を歩まなければいけないのか、すぐにはその言葉が理解ができなかった。

それでもはじめくんは変わらず話を続ける。



「マイキーには抑えられない“何か”があって、大切な仲間も自分を巻き込まないために色んなもの見放して…。そういうヤツなんだよ」


『…』



再び流れる沈黙。私は、隣で眠る彼の顔を一瞥する。

ここから見るはじめくんの瞳はいつもより鋭さがあって、悲しさもあって、私は気がつけばポタポタと涙を流していた。



「!?」



一粒落ちたら、それは止まらなかった。



「ッごめんな…?」



はじめくんが私の元へ急いで駆けつけて、頭を優しく撫でる。



『っ…』



ずっとそうだった。

ずっと我慢してきた。

ずっとわからなかった。



ここに来てから、彼が本当に可哀想で。大切な家族も、友人も全部失って、何かに囚われて、それが救えられないなんて。



「お前は本当、情が深いんだよ」



私、いつから誰かを想うような人間になれたのだろう。

前の私なら、何も響かない。何も悲しくない。



















この場所は、冷酷であるべきなのに温もりすら感じてしまう。



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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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水原カノ(プロフ) - エリザベス女王さん» コメントありがとうございます☺️随分遅くなってしまい本当に申し訳ないです…しっかり再開する予定ではありますのでお待ちいただけると幸いです! (2022年11月13日 16時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王 - 蘭ちゃんが尊い、、、‼️更新頑張ってください!あと続編おめでとうございます!楽しみに待ってます❤ (2022年7月11日 6時) (レス) @page26 id: f466090db3 (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - 華さん» いつもコメントありがとうございます!頑張ります〜(*´-`) (2022年5月9日 13時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
- こちらの作品も続編、おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2022年4月20日 23時) (レス) @page4 id: a19f9ab121 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水原カノ | 作成日時:2022年4月20日 17時

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