相思相愛2【灰谷蘭】

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『ボス』



そう声をかけ、扉を閉める。

さらに暗くなった部屋。足元があまりおぼつかないから、仕方なくベッド脇にある間接照明をつける。パッと少しだけ部屋に明かりが灯り、やっと私がいることに気がついたような反応をするボス。



「…でてけ」



冷たくそそれだけ言って、私の方なんて見向きもしない。



『いいえ、ここにいます』



私はいつもの淡白な口調で返す。

すると、私の言動が気に入らなかったボスは凄い勢いで立ち上がり、大きな足音を鳴らながらベッドに座っていた私を押し倒す。



「出てけ、次は殺す」



かチャッと額に銃を当てられる。それでも、私は引引き下がらなかった。

下から見上げるボスの顔はいつもより酷くて涙の跡がより一層可哀想で、憐れみの目を向ける以外何もすることがない。



















『一緒に死んじゃおっか』



自分の右手をボスが銃を持つ手に重ねる。



『そしたら、もうこんな苦しみから逃れられますよ』



目にたまる涙を拭ってそう言えば、フツリと糸が切れたようにボスの荒い息は止み、銃が降ろされた。



「ッオレは…」


『大丈夫ですよ』



頭を引き寄せて、ボスを胸の中に収めればボスは子供のように泣きじゃくる。



『もう寝ましょう』



















_____なんて、なんて弱い人なのだろう。



_____また、蘭ちゃんへの気持ちがわからなくなった。


_____苦しい。



















私の目からも、一粒だけ雫が落ちた。



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