美門翼生徒会長は悪戯好きの生徒会長です！！

１４ ページ15

まるで寝不足の様に働かない頭で生徒会室に向かう。
書類を持っている手、腕が重い。
なんなら今気を抜いたらぶっ倒れてしまいそうだ。


気を抜いたら絶対に迷惑かかるし…頑張れ俺、なんとか生徒会室に行くまで耐えるんだ。
はぁ…と溜息をつきながら歩いてると何時の間にかもう生徒会室に着いていた。


良かった…これでようやく休める。
両手で持っていた書類を右脇に抱えてガチャッと扉を開けた瞬間自分の頭に何らかの衝撃と、目の前に白い何かが舞った。


なんだ……これ…？


何も持っていない手で衝撃があった部分に触れるとチョークの粉が付着していた。


うわ、こんなに付いたら手が痒くなるぞ。


もう誰がやったかなんて目に見えてるし、あまりにも典型的過ぎてもう怒る気にもなれず俺は別の事を考えて自分の気持ちを抑え込んだ。


「あっ、良かった。ちゃんと引っかかってくれた。」


隣の部屋からシシシっと笑いながら生徒会長が出てきた。
あぁほらやっぱり。


「生徒会長、流石に黒板落としはやめてくださいよ。チョークの粉って服に付いたら水洗いじゃないと中々取れないんですからね。」


まだ付いたのが白だったから良かったけど、これで黄色とか赤色とかだったら水洗いでも落ちるから分かんないんだぞ…。


「はいはい、ごめんね。笹山。でもお前が綺麗に引っかかってくれて俺は嬉しいよ。」


黒板落としは中々引っかかってくれる人が少ないからね。


なんて、嬉しそうに。本当に嬉しそうに言う生徒会長を見ていたら何かそんな理由で…っていう文句を言う気が無くした。


ホント、この人は人の気を抜けさせるのが得意お人だ。

１５→←１３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す