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コンコン、とノックでざわめきが中断される。
そろそろ出てください、って言われるんかなぁと思って、
大橋くんがはぁい、と返事した。
チャ、とドアが開く。
丈くんがヒュッ、と息を吸った。
謙杜がガチガチに固まった。
西畑「こ、こんにちは、、、!
お世話になってます!
今日はどうかされましたか?僕たちそろそろ帰るんですが。。。なにかあり、」
プ「藤原くん。久しぶり。」
にやにやと丈くんに笑いかけるプロデューサーさん。
大ちゃんがなるべく丈くんから距離を取ろうと近づいて話している途中だったが、
まるで見えていないかのように振る舞っている。
藤原「……お久しぶりです、、。すみません。僕、今日用があるので失礼します。」
まだ荷物をまとめ終わっていないはずだが、
リュックだけを掴んで部屋から出ようとする。
プ「いやいや、ちょっとだけやん。
今度新番組をやろう思って、ほら。」
ひらひらと俺らに見せた紙の束は企画書のようだった。
プ「仕事の話やから。な?そんなに時間は取らせへんよ。」
ズルい。
丈くんがそれを聞いたら絶対に帰れないのを分かっていて言っているのだ。
丈くんは真面目だから、自分のせいでなにわの仕事が減るなんて耐えられない。
藤原「……わ…かりました、、。」
唇を噛んで考えた後、丈くんは言った。
元凶である彼は満足そうににんまりと笑っている。
プ「よし。じゃあちょっと近くに集まって。この番組はな___」
ずかずかと部屋に入り、パイプ椅子に腰掛けて話し始めた。
てんでバラバラの位置に居た俺たちは集められ、企画書を見せられる。
本当に仕事の話をしに来たんかなと信じてしまうぐらい、
しっかりとした説明だった。
プ「__っていう感じかな。何か質問とかあったら。」
ぐるりと俺たちを見回し、
何もないと分かるとファイルにそれをしまった。
プ「ここからが本題かな(笑)」
心底楽しそうな顔に恐怖を覚える。
すっ、と丈くんの半歩前に大橋くんが出る。彼は深く頭を下げた。
大橋「もう、、、やめて下さい。お願いします。」
プ「へぇ(笑)…やだ(笑)
お前もDomなんやろ。じゃあ勝負の決め方は分かっとるよな。」
Dom同士の勝負。Glareを出し合って強い方を決めるのだ。
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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時