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大橋side
ランクの高い丈くんがあのような状態になるのだから、
相当な強さのGlareに当てられたことはすぐに分かった。
それでも、おおはし、と呼び続け、
俺を選んでくれたことが少し嬉しい。
謙杜も相当苦しそうで、選ばれた存在なんて言われるSwitchも大変だな、と思う。
いつもは照れて隣に座ってくれない癖に、
今日ばかりは手を繋いでぴたっとくっついて座っている。
大橋「肝心な時に居らんくてごめんな?」
何も言わないけれど、
ぎゅっ、と繋がれた手に力がこもった。
家に着いてからも丈くんは俺から全く離れなくて、不安なんだなと察する。
俺らは対等な関係でいたいと思っているから、
あまり俺がDomらしいところを見せる機会はない。
でも、と食事が終わってソファで座っている時、
スマホを見ていた丈くんに聞いた。
大橋「丈くん不安なん?」
こくん、と素直に小さく頷くのを見るに、
今日は本当に精神が不安定なのだ。
よし、と深呼吸を一つ。
大橋「Come(おいで)」
スマホを置いて素直に近づいてくる。
大橋「Kneel(跪いて)」
すとんとカーペットが引かれた床に正座する。
大橋「丈くん、Kiss(キスして)、Hug(ぎゅってして)」
Play中となれば丈くんは素直にCommandに従う。
ソファの上の俺に抱きついて軽くキスしてくれる。
そのまま抱きしめた状態で過ごしていれば、
丈くんの目がふわふわとし始めてSpaceに入りかけているなと察する。
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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時