初恋の君が知っている ~*探偵チームKZ事件ノート~*

2-C ページ7

・ 上杉 side



　茶色の豊かで艶のある髪。

　安心して、綻んだ口元。

　長くて細い足。


　でも、何よりも印象的だったのは、
　その『目』だった。
　栗色で、キラキラと輝きを放つ、
　希望に満ちた瞳だったんだ。



「日本人、ですか。」


　
　俺の呟きに、その女はふわっと微笑んだ。



　「ん、そうだよー。良かった。


　私、美野羚亜。レイって呼んで。
　よろしくね。

　あなたは？」
　


　話をふられて、俺は軽く
　自己紹介する。



「上杉和典。…よろしく。」


「へぇ…和典、ね。和典、か。」



　レイは、俺の名前を復唱して、
　こちらを探るように、
　じっと見てきた。



「和典は、目が悪いの？」



　…は。こいつ、何で分かった？



「そうだけど、何でそう思った？」


「何か…眼鏡かけてたから、何となく？」



　ガクッ。何だ、焦った。



「で、レイは？」



　そう聞くと、レイは、
　何でもない、と笑い飛ばした。



「小さい時、コンセントに鉄のスプーン入れて、
感電したんだ。

　もう、アホでしょ。」



　と、自嘲気味に、言葉をはきだした。


　感電…にしても、病院来んの、遅くね？
　と思ったんだけど。


　またね、と、レイは、
　部屋に帰ってしまった。



　…また聞こ。

　そう考えて、俺は自分の部屋に
　案内してもらった。



・

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