番外3 大人になった彼らの話 ページ47
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「あのさ、ほんっとに、バカ研磨！」
「ええ……急に罵倒するじゃん……。」
「ちょっと研磨サン、こっちおいでよ」
きょとんとした顔で、研磨は言われるがままにAの元へ寄る。 Aも椅子を引いて立ち上がり、お互いに向かい合った。 二人の間には身長差が少しだけあるが、それくらい何の障害でもない。
Aは研磨にひっしとしがみつき、力いっぱい抱きしめた。
「えっと、A？ どうしたの」
「高校のときさ、研磨は私のこと全部受け入れるって言ってたの。 覚えてる？」
「覚えてるよ。 ……今考えたらすっごい恥ずかしいけどね」
研磨は少しだけ耳を赤くして言う。 ここで掘り返されるとは思わなかった。
「あのとき、研磨が私を許容した分、私も同じくらい研磨のことを受け入れるよ。 仕事も趣味も、私が知らない人間関係も、ぜーんぶね」
だから、変なことで心配しなくて結構です。
仕事、好きにしたらいいよ。
自由な研磨でいいよ。
そう伝えれば、背中に彼の手が回ってくるのを感じた。 しっかりと、Aが入れた力と同等の強さで、抱きしめ返される。
「ナニソレ……なんか、Aが都合のいい彼女みたいで嫌だ。 おれに甘すぎ」
「へへ、お互い甘やかしていきましょーや。 杞憂なんかするだけ無駄！」
Aはパシッと研磨の背を叩いた。 彼女の濁りのない明瞭な言葉と前向きさが、研磨は好きだった。 何よりも、自分達の忙しさや都合を理解し合えるところが、得難い関係性だなと感じる。
(……たぶん、おれにとって、Aよりもいい人なんて絶対いない。 この人じゃなきゃダメなんだ)
「A、すき」
「知ってる。」
「なんかもう、ずっとこのままでいよう？ 動きたくない。」
「……いやいや、研磨サン。 流石にずっとはダメだよ、家事あります」
「なら、あと10分だけ。 そしたら二人で今日のタスクこなしちゃお」
研磨はAの肩に顔を埋めて、目を瞑った。 Aは、10分って結構長くないか……？ と思いつつも、何だかんだ彼のわがままを聞き入れている。
仕方ない。 このプリン色の猫の可愛さは、昔も今も健在なのだから。
「けんま、かわいー」
Aは優しく彼の頭を撫でた。 惚れた方の負け、というやつだ。
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続く
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まめ - 番外編…だ、と……？！ありがとうございますｯｯｯ！！！ (4月23日 16時) (
レス) @page47 id: 99eca05f77 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - 待ってましたぁ！！！ありがとうございます。いやー新学期始まって癒しがなかったもんですからありがたやっ！！ (4月21日 22時) (レス) @page47 id: b5371def11 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - なゆちさん» 初めてコメントしてくださったときのこと、覚えています！当初は夢ジャンルに復帰したばかりでしたので、すごく丁寧で温かいあの一言が心に沁みてました🙏毎度、ありがとうございます！ (4月21日 18時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 涼夏さん» こちらこそ、そう言って頂けて嬉しいです。長い間、読んでくださりありがとうございます！日頃の癒しになれたのであれば、良かったです🙏 (4月21日 18時) (レス) @page47 id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
なゆち(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉初めてのコメントをしてから約一ヶ月も経っていて、少しびっくりしちゃいました笑食べるさま、とてもかわいい研磨くんの素敵なお話をありがとうございました><次の作品も楽しみに待ってます💞 (4月9日 5時) (レス) id: 782e12ed33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：食べる | 作成日時：2024年3月7日 17時
