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JN「……俺は…。」
ちらりと女性を見るジニヒョン。
ふい、とすぐ視線を鍋に移す。
JN「泊まって行ったら良いと思う。アテが無いのに外に出すなんて出来ないよ、風も雨もこんなに強いんだ。」
言いながら換気扇を見つめるヒョン。
あぁ、そうか。
換気扇からは外の嵐の音が聞こえるんだ。
リビングのソファに集まってる俺たちから離れて黙々と料理を作るヒョンにしか聞こえない音。
気になってカーテンを開けると、外は大荒れ。
庭から見える植物はみんな有り得ない方向に頭を持って行かれている。
季節外れの台風だった。
元々台風なんて少ないのに、有り得ないような時期に発生した。
それに巻き込まれるなんて。
T「これも何かの縁じゃないですか?とにかく今日は気にせず泊まって行って下さい!ちょうどお祝いしようとしてたんで!」
『…お祝い…ってもしかして……。』
T「そうです、ヒョンのお祝い!』
俺は用意していたHAPPY BIRTHDAYのバルーンを取り出して見せた。
Y「……。」
T「明日ユンギヒョン誕生日でしょう?でもスケジュールもびっちりだし当日はみんなからお祝いされる日だから…俺たちがやっぱり1番に、特別なお祝いをしたくて…。」
Y「……それで…先に…?」
T「うん、ごめんね内緒にして……驚かせたかったんだ。」
Y「……悪かった…知らなくて…あんな言い方……。」
T「いいよいいよ!気分悪くさせちゃったのはこっちだし!ヒョンは何も知らなかったんだから当たり前!」
Y「……それもだし……コイツのことも隠す事じゃなかった。共同宿舎に入れるならみんなに一言言うべきだ。それなのに責めるような言い方して悪かった……ジニヒョンもごめん…。」
JN「……気にするな、俺は気にしてない。」
Y「……今日、泊めてやって欲しい。部屋はもちろん俺の部屋で寝かせるし、明日ちゃんと滞在先も見つけるから…。」
H「もちろんだよ!」
T「お祝い仲間が増えた!」
『…みなさん…ありがとうございます…。』
ぺこりと頭を下げる彼女さんと、隣のユンギヒョン。
なんだか2人の空気感がとても可愛くて。
ユンギヒョンに彼女がいるなんて知らなかったけど、この人ならうまくやっていけそう…。
なんていうかこう…俺たちは男だし仲間だし家族だけど、ユンギヒョンの彼女、になる人はまた違った目線を持った存在になるんだろうと思ってたから。
この人ならユンギヒョンをまるっと包んでくれそう。
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作者名:そー | 作成日時:2019年10月13日 21時