世界で一番大切にします【JN】 (ページ22)

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ユリ「今日は本当に助かったわ、ありがとう。」

『いえ、とても勉強になりました。』

あれ以来、デスクが隣という事もあり、話す機会も増えたしペアで任される仕事もいくつもあった。

それに、私はユリさんの仕事の姿勢とか的確な判断だとか他人への配慮だとか全てと言っても良い程に尊敬している。

この人のもとで仕事ができるなんてなんて幸せなんだろうと思った。

今日も連日のミーティングでぐったりした社員を定時で強制的に帰らせて、自分は残りの仕事をしていたから私は頑として帰らずに張り付くように仕事を手伝った。

キリのいい所で仕事をやめて、帰りに薬膳スープをテイクアウトして。

ユリさんが運転する男性もなかなか手の出ないようなかっこ良すぎる高級車で送ってもらっている。

ユリさんはすごく美人だ。

綺麗な巻き髪、整った目鼻立ち、女性の私でもドキドキと目で追ってしまうスタイルの良さ。
一見近寄りがたいような美人さんなのに気さくで男前で優しい。

ほんとうに憧れ。

ユリ「それにしても帰る方向が同じで良かったわ。今はお兄さんと暮らしているって言っていたけど…。」

『はい、寮のリフォームが終わるまで。』

ユリ「仲が良いのね、私も兄がいるけど同じ部屋で過ごすなんてまっぴら！」

『ユリさんもお兄さんがいらっしゃるんですね、なんか嬉しいです。』

ユリ「あなたのお兄さんならきっと、優しくて素敵な方でしょうね。」

『え？そ、そんな事は…』

ユリ「A、私はあなたとっても好きよ。」

『え！？』

ユリ「可愛いんですもの。」

ユリさんは綺麗な顔をくしゃっとして笑った。
思いもしない言葉に胸がいっぱいになる。

ユリ「あなたと仕事できて嬉しい、これからもよろしくね。」

『はい！！』

ユリ「あ、そういえば家は具体的にどの辺？」

言われて窓の景色に目をやると、宿舎のあるところにだんだん近づいてきた。

『あ、あの！この先のあのコンビニで！』

ユリ「え？コンビニってあれ？もう遅いから家の前まで送るわ。」

『こ、コンビニのすぐ近くなんです！あの、道が狭いのでこの車じゃ入れないかなって…。』

ユリ「あー…そうなの？？本当に大丈夫？」

『はい！ありがとうございました！』

ユリ「本当に気をつけてね？…じゃあ明日はゆっくり休んで、また明後日ね。」