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『はい!お疲れ様でした!』
ひらひらと手を振ってくれたユリさんの車が見えなくなるまで私も手を振り返した。
なんだか夢見心地で…。
『残業して良かった…。』
と、バッグの中で震えるケータイ。
………。
やばい、やばい。
これ絶対ユンギだよね??
案の定着信はユンギからで。
……連絡するの忘れてた…。
ユンギの雷の様な怒鳴り声を想像して通話ボタンを押す。
『…ユン…
Y《A!?》
『…うん、あの…ごめ…
Y《今どこだ!?無事なのか!?》
『あの、今…
Y《何かあったのか!?何度も連絡したんだぞ!?」 》
会話が進まない。
でも思ったより怒った声じゃ無い…
慌ててる…心配してくれてるんだ…。
Y《A?》
『大丈夫、心配いらないから話聞いて?連絡しなくてごめんね?今日残業になって、今職場の人に車で送ってもらったの。坂の入り口にあるコンビニにいるから、これから帰るね。」
Y《…仕事か…てっきり何かあったのかと…。》
電話の向こうから聞こえる力の抜けた声。
『ごめんね、カトク送ればよかった。』
Y《当然だろう、何の為にケータイ持ってんだ。》
あれ、なんかだんだん声色が…。
Y《残業ってわかった時点で連絡よこすのが基本だろう、こないだもそうだろ?全然反省してなのか?それともお前の会社は家族に残業の連絡すらさせない最悪な会社なのか!?》
『ちょ、ユン…
Y《それに坂の下のコンビニって!そこからまさか歩いて来る訳じゃないよな!?》
『え、だってそんなに遠くないし…。』
Y《絶対ダメだ!今迎えに行くから待ってろ!》
『え、いいよ!ユンギが出歩いたら騒ぎになっちゃう!』
Y《だからって1人で歩かせるわけにいかないだろ!?待ってろ!!》
『ダメったらダメ!ユンギに迷惑かけるくらいなら待たない!歩く!』
Y《この頑固ものめ………。》
『ユンギもでしょ……。』
Y《……一回切る。》
本当にぶつりと切られた電話。
『……………わ!?』
1分と経たないうちに再度ユンギからの着信。
『……はい。』
Y《…今ちょうどマネヒョンがこっちに向かってるらしい。………もうすぐそこのコンビニに着くから乗せてもらって。》
ぶつっ。
それだけ言ってユンギは電話を切った。
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作者名:そー | 作成日時:2019年10月13日 21時