百、四 ページ37
視点→A
ところ変わって医療室の前。
僕は久しぶりにルッス姉さんに会う。
どうしているかは、スクアーロ君やベルフェゴールさんに聞いたがスクアーロ君もベルフェゴールさんも知らないらしい。
こんこんとノックをゆっくりし、スライド式の医療室の扉をあける。
ほのかに漂う消毒の香りは、すぐに僕の鼻孔を刺激した。そして視界に入ってきたのは、たくさんの管に繋がれたルッス姉さん。
「…。」
しばらく僕が出入り口で沈黙していると、ルッス姉さんは起きていて、誰かが開けたのに全然こちらにこないから不審がったのだろう、少しの間を開け、「誰かしら？」と横たわったまま声を無音な医療室内に響かせた。
まぁ、その言葉があったからこそ、僕の硬直は溶けて
「僕だよ、ルッス姉さん。」
という発言ができたのだが…。
「あら、Aちゃん？」
「うん。雑炊、作ったから持ってきた。」
今更持ってきて僕は変だろうか。晴戦からもう数日も経っているのに、今雑炊を渡されたって…
「ありがとう。」
迷惑なだけだろうが、それでもルッス姉さんは僕に気を使ってだろうか、お礼を言ってくれた。
「…、ここ、太めのストロー付けて置いておくから寝たままでも食べれるよ。ちょっと冷めたから火傷もしないし…。」
僕は学校もあるし、今思えばこいつらに優しくする義理もない。
とまで考え、僕は長めのストローをルッス姉さんのところへ持って行き、少しだけ顔を見てすぐに身を翻し、扉の方へと向かった。
「あ、ちょっと待って、Aちゃん」
扉に手をかけたところで、ルッス姉さんは僕に声をかけた。
「…なに」
「本当にありがとう」
何を言われるか、何の文句を言われるか予想していたら、先ほどと打って変らずお礼の言葉。
「何言ってるの？僕はただ」
ただの自己満足だ。お前に優しくしているのではない。
いざ言おうとしたら、何故か奥の方に針が刺さったように痛くなり、言えなかった。
「いいえ、私はね？あなたがこうして来てくれたことが…嬉しいの。」
「…」
僕は、何も言い返せない。
彼の言っていることは彼にとって間違いはなく、僕が彼の思想信条に口を出してはいけないし
何より、たとえ口を出してもいいのだとしても、彼がとても偽ではない善人だったから。
「だから、ありがとう」
そこまで聞いて、僕は立ち止っていた足を動かし、医療室を出た。
時間はまだある。
学校に行かなければ。
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てゐ(プロフ) - 招きぬこさん» 裏話盛りだくさんだわwwなるほど最近考えたのかwwメール待ってるね！こっちは今のところ裏話はないかなー… (2014年10月20日 1時) (
レス) id: 0f017c5b02 (このIDを非表示/違反報告)
招きぬこ(プロフ) - てゐさん» だって最近考えたんだもん！← 何か色々裏話が盛り沢山なんでメールとか送るね！そんでお話ししよっ！ (2014年10月20日 0時) (レス) id: dc52c1153b (このIDを非表示/違反報告)
てゐ(プロフ) - 招きぬこさん» なんだそれ初耳wwwわかったー、反映させとくねー∧( 'Θ' )∧(いつか) (2014年10月19日 23時) (レス) id: 0f017c5b02 (このIDを非表示/違反報告)
招きぬこ(プロフ) - てゐさん» りょ！あ、ルタさんの本名『ロベルタ』なんでよろしくっ！だからベルと呼ばなかったと言う裏話← (2014年10月19日 21時) (レス) id: dc52c1153b (このIDを非表示/違反報告)
てゐ(プロフ) - 招きぬこさん» あいよー！私もできればもうちょっと進めて話し合わせるよ！ 案とかあればメールしてね！ (2014年10月19日 21時) (レス) id: 0f017c5b02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てゐと招き猫 | 作成日時：2012年12月16日 8時
