接吻とフレンド (ページ17)

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ライキャクかライバルかページ17

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Aちゃんの作ってくれたオムライスをパシャパシャと写真を撮ると、エプロン姿のAちゃんは少し恥ずかしそうに笑った。

ラベンダー色のリボンが散りばめられた可愛らしいエプロンは、Aちゃんによく似合っている。

美勇人くんは写真なんか撮らずに一目散に食べ始めたから、嗚呼やっぱりAちゃんの手料理も慣れてるんだなぁって思った。

「えっ、うま！」

『ほんと？良かったぁ。』

「俺いつも美味いって言ってるじゃん！」

『美勇人の味覚は当てにならないから(笑)私と合わないもーん。』

「ひどい！」

美勇人くんは、家に荷物を取りに帰らなかった。

どうせ出るなら一緒にと思って、美勇人くんを起こそうとしたらAちゃんが、

“ 美勇人のお泊まりセットは一式あるから大丈夫だよ ”

って。

歯ブラシ、下着、パジャマ、髭剃りまで。

どうしてそんなにAちゃんの家は、美勇人くんに対して準備万端なんだろう。

どうしてAちゃんと美勇人くんは、別れを選んだんだろう。

こんなにも仲が良くて、今でも想い合っていそうなのに。

Aちゃんは俺のこと、どう思ってるんだろう。

もちろん全部、答えなんて出るわけなくて。

幸せと楽しさと少しのモヤモヤを抱えたまま、夜は更けていく。

夜ご飯の片付けも終わって、ビビリなはずの美勇人くんが強がって持ってきたおすすめのホラー映画のディスクを、DVDプレーヤーにAちゃんがセットした時、インターホンの音が響いた。

「え？誰？」

『分かんない、出てくるね。』

「一緒に行こうか？」

『ありがとう顕嵐くん。大丈夫だよ。』

カメラを確認したAちゃんは、ぱたぱたと玄関に走っていく。

サンダルを履いてドアを開けるけど、来客の姿は、ちょうどAちゃんに重なって見えない。

『も～、何しに来たの！』

「飯食いに来た！久々にAのご飯食べたくてさ～。つーかこの靴、美勇人の？美勇人来てんの？」

「え、顕嵐！？」

「えっ、樹くん！？」

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