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気がつくと、真っ暗な中で私は1人座り込んでいた
周りを見渡しても深い深い黒
何の音も香りも感じない
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体の熱が全部奪われるような、感覚を失うような
これを恐怖って言うのかな
あぁ、怖い
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一人ぼっちになっちゃった
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「(...っ...助けて)」
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目が覚めると、陽の光が私を照らして
瞳から溢れる涙で今までのことが夢だと分かって
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母「A〜、起きなさい!」
母の声で無意識に体を動かし着慣れた制服を身に纏う
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「(何か...嫌な夢だったな)」
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家の玄関を開け外へと出ると
桜の花びらがゆらゆらと風に吹かれて私の背中を押す
優しく綺麗なピンク色
心が安らぐような香り
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真「おはよう、A」
私を待つ、その見慣れた姿にひどく安心する
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「おはよう、真司郎」
真「寝坊しなかったんやな、えらい」
気分転換の春休みが終わって
また、新しい学年が始まる
当たり前に私の隣には真司郎がいて
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実「おはよ!」
千「久しぶり〜」
実彩子、千晃
秀「春休み終わんの早かったな」
光「早くクラス替え見に行こうぜ!」
隆「もう張り出されてんのか!」
隆弘、日高くん、秀太くん
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真「みんな久しぶりやな〜見に行こ!」
みんなの輪に飛び込むと“いつも通り”が私たちを包む
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ワイワイと掲示板へと向かう私たちの横を通り過ぎる
動きの固い背の小さな集団
秀「あ、新入生や」
光「初々しいな、可愛い(笑)」
春は胸が踊るみたいに
ソワソワ、ワクワクして
千「クラス替え緊張するね〜」
隆「高3のクラスって割と重要だよな(笑)」
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新しい出会い、別れ、変化
実「始業式終わったら遊び行こうよ!」
私たちにとっては
この“いつも通り”が最後になる年だ
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真「...A、どうしたん?」
私の顔を覗き込む愛しい人の顔
太陽の光に金髪が輝いて、色素が薄くて綺麗
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「...何でもないよ」
今朝見た夢のせいかな
今日は心も体も重くて
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ただ、この幸せな毎日が続いて欲しかった
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桃(プロフ) - だいすきです!!!! (2020年12月28日 18時) (レス) id: 891670169f (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - あぁー!高評価何回も押せたらいいのに!!これからも楽しみすぎます〜!! (2020年11月29日 1時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - 更新嬉しいです!!一気に元気出ました!これからも楽しみにしています〜 (2020年11月26日 23時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
gramchan(プロフ) - 気になりますー!! (2020年4月14日 15時) (レス) id: eabba0fd71 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - ほんとーに待ってました!!大好きで大好きなお話なので、もう更新されないかと勝手に悲しんでました、、。作者さんのご都合もあるかと思いますが、これからも更新頑張ってください。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年4月11日 22時