新学期〜後編〜 ページ4
放課後、ラギーくんには部活があると断られたので一人で大食堂へ来ていた。友達がいないんじゃないですよ。皆忙しいんです。
お目当の学食のパンケーキを無事に買うことができ、ほくほくしながら席に着く。ここのパンケーキは甘すぎず、そしておやつとして食べるのに丁度いいサイズで本当に素晴らしいのだ。ふと、なんだか向こうのほうが騒がしいことに気づく。
(暴れてる…？駄目だよご飯食べるとこで…。)
しかし、騒がしい生徒の中の二人が、自分と同じ腕章をつけていることに気がついた。
(え！顔を知らないってことは一年生だよね！うわ、話しかけたい…。注意するのを口実に話しかける？え、僕天才…？)
うんうん悩んでよしいざ！と思い視線を向けるとなんと後輩ちゃんがシャンデリアに向かって突進していた。
開いた口が塞がらないとはこのこと。そしてシャンデリアは衝撃に耐えられず落下する。
(危ない！！)
僕は瞬時にペンを握った。あのシャンデリアの落下を止めるのは僕の魔力では足りない。咄嗟に食堂にいる全ての人に防衛魔法を張る。刹那、大きな音を立ててシャンデリアは落下した。
よかった、皆大きな怪我はないみたいだ。
途端に、立っていられないほどの疲労が襲う。駆けつけて、本当に怪我がないか確認したいのに。ペンを握る力すら湧かず、その場にへたり込む。呼吸も苦しくなってきた。
(情けない…この程度で動けなくなるなんて…)
「Aさん、大丈夫ですか。」
後ろから呼ばれた気がしたが、耳鳴りが酷くてはっきりと聞こえない。
「Aさん、しっかりしてください。」
倒れ込む寸前に間一髪抱きかかえられる。
ぼやける視界で見えたのは、マリンブルーの髪。
(名前で呼ばれるし、手袋付けてるから…)
「ジェ…ィ、」
そして、僕の意識は途絶えた。
end...?
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作者名：おそら | 作成日時：2020年5月27日 18時
