Episode113 ページ26
番外編にお付き合いいただきありがとうございました!
ここから本編始まります!
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Aの誘拐事件が終わってから一ヶ月程が経った。
珍しく一人で森に呼び出されたAは、慣れた様子で首領室の扉をノックする。
「失礼します。」
何か違和感がある。
いつものエリスの怒声や、森の弱々しい声が聞こえない。
中へ入ると、そこには先客がいた。
丸眼鏡が特徴的な学者風の男。
知的そうな人、常識ありそうだし。
あぁ、なんか久々に普通の人に会った気がする。
それが第一印象だった。
「来たね、Aちゃん。紹介するよ、こちら組織の専属情報員、坂口安吾くん。」
どうも、とぶっきらぼうに挨拶する安吾。
「藤崎Aです。よろしくお願いします。」
何故自分が呼ばれたのかわからないが、儀礼的に差し出された手に応える。
「どういったご用件で?」
上手く状況が理解できないA。
森に尋ねると、何か企んだような含みのある笑みが答える。
「Aちゃんには、彼のところで暫く勉強して貰いたい。」
「勉強…?」
Aは中也の部下だ。
ポートマフィア構成員としての教育なら、中也の下で受けるもの。
それに、中也は来週から二週間程出張だ。
暫くとはいつまでの話なのか。
さらに疑問でいっぱいになるAの頭。
「組織にもそろそろ慣れてきた頃だろう?君の経歴も鑑みて、安吾くんの下で諜報員としての教育を受けて貰いたいんだ。」
森にも、Aの過去についての報告は済んでいた。
暗殺の腕は最高級。
その能力があれば、諜報員としても働けるだろうと踏んだらしい。
変化の異能も加われば、きっと怖いものはないだろう。
「いつまでですか?」
「うーん……然るべき時まで、だね。」
森の瞳は、時折見せるあの鋭さを秘めていた。
稀に見せるその真剣さに、Aも忠誠的に跪いた。
安吾の眼鏡の奥で、その瞳が鈍く光った。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時