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悪戯同盟組んでみた 2 ページ22

中也が首領室に呼び出されている隙に、Aは太宰のもとを訪れた。

「もうAちゃん最高!私思わず椅子から転げ落ちちゃったよ。」

あの音は太宰だったのか。

「本当に中也さん騙されやすすぎですね。私もクセになっちゃいそうです。」

中也はあれが悪戯だったなど、かけらも考えていないだろう。

Aと太宰、中也にとっては最悪の組み合わせだ。

頬杖ついた頭を傾け、真っ黒な瞳でAを見つめる太宰。

この人本当に顔だけは綺麗だな。

そんなことを考えながら楽しそうな太宰を見ていると、困ったように頬をつつかれる。

「もう、聞いてないでしょ。私の美貌に見惚れちゃった?心中する?」

本当に顔だけ。

「しません。何ですか?」

「だからね、次から二人で悪戯しない?悪戯同盟。」

ニヤッと口を歪める太宰はまさに悪戯っ子。
それに答えるAの表情も同じだ。

「乗りました。」

二人を見ていた部下達は、それを止めることもできず、ただただ中也の不幸を憐んでいた。

「ところで、そのブレスレット、中也のだよね?」

笑顔のままAの左手を指差す太宰。
しかし、その目には先程とは違い、何処か鋭さが潜んでいる。

「はい。組織加入の贈り物です。」

ふーん、と太宰は面白くなさそうな顔をする。

「…Aちゃん、中也の女性のタイプ知ってる?」

「知りません。」

Aの答えに、太宰は再びニヤニヤと笑いながら、内緒話でもする様に、Aの耳に口を近づける。

「やんちゃで、ドタバタ騒ぎを起こすような子。」

耳元で聞こえた言葉に、Aは些か意外な気持ちになる。

中也さんは大人びた女性が好きなのかと思ってた。
でもまぁ、面倒見はいいしな。

「おい、何こんな所で油売ってやがる。」

背後から聞こえた中也の声。
僅かな苛立ちが含まれている。

「任務だ。行くぞ。」

「はぁい。じゃあ太宰さん、また後で。」

悪戯しましょうね、とウインクで合図すると、ロクな事を企んでいないだろう笑みで、太宰は手を振った。

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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時

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