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Episode77 ページ28

「誰かしら?」

母親が出て行ってからまだ二時間も経っていない上、どう見ても母親の車ではない。

降りて来たのは黒服に身を包んだ男達。

怯えるチャーリーを、ジェーンは咄嗟に自分の背後に隠した。

「どなたですか、うちに何のご用で?」

黒服は答えることなく、ジェーンとチャーリーに近付く。

チャーリーは泣き出してしまう。

黒服がジェーンの腕を掴み、車の方へと引っ張る。

「離して!いきなり何するのよ!」

ジェーンにしがみ付くチャーリーを別の男が無理矢理引き離すと、チャーリーは暴れ出す。

「いゃ、いや!」

「チャーリーに触らないで!」

泣き喚くチャーリーの首筋に、黒服が何かを当てる。
バチッという音とともに、チャーリーは意識を失う。

「チャーリー!」

ジェーンはチャーリーに手を伸ばすが、黒服はチャーリーを車に乗せてしまう。

そして、首筋に走った電撃とともにジェーンも意識を手放した。

チャーリーの手の中で、アルジャーノンは固くなっていた。

………………………………………………………

「……ん。」

ジェーンが目を覚ますと、鼻をくすぐる懐かしい匂い、見覚えのある色の天井。

ゆっくりと身体を起こすと、そこはロンドンにいた頃のジェーンの部屋だった。

身体には傷一つなく、柔らかな寝具がジェーンを包んでいる。

「チャーリー?お母様?」

部屋を見渡すが、ジェーン以外には誰もいない。

「どうしてここに……?」

ジェーンは五年間、ロンドンで住んでいた自分の家はもう無くなったのだと思っていた。
しかし、今ジェーンの目の前にあるのは、あの日家を去った時のまま、時が止められていたかのように何も変わらない自分の部屋。

突如ノックもなく扉が開き、一人の男が入って来た。

「おや、もう起きたのかい小鳥ちゃん?」

スラリと長い脚にスタイルの良い身体、整った顔立ちと、ジェーンに似た美しい金髪。
ロンドン中の女性が放っておかないだろう、完璧な微笑みがジェーンに向けられていた。

「叔父様!」

そこに立っていたのはジェーンの父の弟、ブライアン・ウォーレスだった。

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noel(プロフ) - あやねっちさん» 嬉しいです!!ありがとうございます、これからも頑張ります (2020年4月4日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 1からここまでよみました 最高でした更新楽しみにしていますね (2020年4月4日 16時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:noel | 作成日時:2020年3月30日 9時

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