71(Sside) ページ31
しんと静まり返った楽屋。
ガヤさんの一言でマネージャー達は黙り込んだ。
ミツに続いてガヤさんまでいなくなったらキスマイはお終いだ。
事務所としてもいままで積み重ねてきたものが全てなくなるのは、辛いだろう。
ガヤさんのミツやキスマイに対する気持ちが本気だって分かるからこそ、マネージャ達も黙るしかないんだ。
「俺も、ガヤさんと同じ気持ちです。ミツがいないキスマイは、キスマイじゃない。6人のキスマイにいる意味はありません。」
ニカも意思は強いんだろうな…
ただならぬ雰囲気に横尾さんが声を出した。
「ミツは…理由もなくいなくなるような無責任な人間じゃありません。連絡も…きっとしたくても出来ない状態にあるんだと思います。」
「社会人としての在り方を教えてくれたのはミツです。ミツが仕事を放棄するなんてあり得ない。」
悔しくて…溢れそうな涙を堪えて俺も訴えた。
玉がそんな俺の肩を優しく抱いてくれる。
「俺達皆、同じ気持ちですよ。ミツはきっと帰ってきます。俺達にはミツが必要だし、ミツもきっと俺達が必要だと思うから。…俺達はミツを信じてます。」
玉の言葉に皆が頷く。
マネージャー達も俺達の言葉に戸惑いを見せたまま、その日は楽屋を出て行った。
「…っ…ひっく…ケホッ…うっく…」
微かに聞こえるミツの泣き声。
「宏光!」
ガヤさんがミツの所に駆け寄り、バッグを開ける。
「ひっく…太輔…」
「ごめんな。辛かったろ?」
「だめ…っ…」
「ん?」
「辞めちゃ・・・だめ…皆…はぁっ…今まで…頑張ってきたのに…ひっく…」
ガヤさんの手を掴んで、泣きながら訴えるミツ。
ガヤさんはそんなミツに笑顔で話しかけた。
「それは宏光だって一緒だろ?キスマイは皆で作り上げてきたんだ。壊れる時は、皆一緒。俺達は一心同体だよ。」
「太輔…」
「大丈夫。ミツの事も、キスマイの事も俺達がちゃんと守るから。」
「ニカ…」
ミツの目から、大粒の涙が溢れ出た。
「ミツ?ずっと泣くの我慢してたんでしょ?無理するから…息乱れてるよ?」
「また熱上がってんじゃない?ほら、横になろう。」
横尾さんと宮っちがミツを優しく体を微笑みかけた。
「そうそう、ミツは大人しく寝てればいいの!」
玉がそう言って髪を撫でると、ミツはまた涙を流して
「ごめん…」
そう呟いた。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年8月31日 9時