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「新番組…ですか?」
「ああ。お前達の冠番組だよ。また忙しくなるから、覚悟しておけよ。」
チーフマネージャーは満足げに俺達を見た。
「はい…ありがとう…ございます…。」
「新番組は、6人で始める。」
「え?」
チーフマネージャーの言葉に皆息を飲んだ。
「どういう事ですか!?」
横尾さんが焦ったようにマネージャーに詰め寄った。
「北山とは依然連絡が取れないままだ。北山は…脱退処分にしようと思っている。」
「脱退!?」
「1週間も連絡もしないで、仕事放棄してるんだぞ。当然の処分だろ。」
「でも…何か事情が…」
「どんな事情があるにせよ、社会人の常識として北山の行動は間違っている。」
俺の言葉もすぐに遮られた。
「でも…脱退なんて酷すぎます!ちゃんとミツの事探してくださいっ!」
ニカはもう、チーフマネージャーに飛びつきそうな勢いだ。
千賀がニカの肩を掴み、抱きしめる様に支えていた。
「捜索願いは出さない。北山の親御さんが拒否された。」
「…」
「社長も了承済みだ。もう探す手立てはない。」
当然だ。
おばさんも社長もミツと会話を交わしている…。
「新番組は次クールからだ。それまでは、騒動を抑える為に引き続き北山は、体調不良による活動休止という事にしておく。番組開始の記者発表で、同時に北山の脱退を発表するからそのつもりでいてくれ。」
心臓がバクバク音を立てる。
誰もが、怒りとショックで動けないでいた。
「北山の脱退を…ファンの皆に…どう説明するんですか…」
ガヤさんはギュッと拳を握りしめていて…体も声も震えていた。
「まだ決まっていないが…キスマイのこれからを考えれば、失踪と伝えて北山を切り捨てる事も考えているよ。」
「…っ」
切り捨てる…
その言葉にさすがの俺もキレた。
「ちょっと、今のは…っ!」
「北山を悪者にしてまでキスマイを続けようとは思っていません。北山が脱退するなら、俺も辞めます。」
俺の言葉を遮ったのはガヤさんだった。
その時、視界にミツがバッグを飛び出そうとするのが見えた。
姿を見せようとするミツをそっと制止する横尾さんと玉。
そんな状況に気付く様子もないマネージャー達。
もう、楽屋は修羅場だった。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年8月31日 9時