４１（Kiside） ページ1
『続いては心配なニュースです。Kis-My-Ft2の北山宏光さんが、軽い肺炎でしばらく芸能活動を休業する事が発表されました。』
各局のワイドショーが俺の休業を伝えている。
皆、口を揃えたように「早く元気になって欲しいですね。」とコメントしてくれてる。
俺は元気だよ。
今すぐにでもテレビの前に出て叫びたかった。
「宏光、なんかすげえ人気アイドルみたいだな(笑)」
「俺は、人気アイドルなのっ！」
太輔は俺が落ち込まないようにと、いつも通り…いや、いつも以上に明るく接してくれる。
俺が落ち込んでちゃダメだ。
「不謹慎だけどさ、ちょっと嬉しいよね…デビューしたんだな〜って実感する。」
太輔の言いたい事は分かる。
デビュー前だったら…こんな風にワイドショーで取り上げて貰えてないよな…
「デビューって、すごいんだな。」
「ね！」
こんな事で実感するとは思わなかったけど…
「もっともっと名前を知って貰う為にも、お仕事頑張らないと！って事ですよ。宏光の留守は俺達が守るから、体が元に戻ったら馬車馬のように働いて下さい。」
昨日コンビニで買ったサンドイッチをむしゃむしゃ食べながら、太輔が笑う。
太輔はもう、吹っ切れてるみたいだ。
あっかんべーと舌を出してやったら、声を上げて笑ってた。
「うわっ！やべぇ！遅刻する。」
「頑張れ〜」
どたばたと走り回る太輔を、分けて貰ったサンドイッチを頬張りながら見つめる。
今日は、皆個人の仕事で大忙しらしい。
「ごめん。明日は留守番な。」
「…うん。」
昨日2人で話し合って、俺は1日お留守番をする事になったってワケ。
この間、太輔の仕事に付いてって、失敗して怒られたし…
今日は我慢、我慢。
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作者名：MISA
| 作成日時：2014年8月31日 9時
