５（Fside） ページ5
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帰り支度を済ませて、戻った楽屋。
「お待たせ……あれ？」
いるはずの北山がいない。
「なぁ、ニカ。北山見なかった？」
「ん？さっきまでソファで寝てたよ。」
ソファの傍に行ってみたけど…
誰もいない。
北山のカバンは楽屋のテーブルに置いたまま。
「どこいったんだよ…」
もうすぐマネージャー迎えに来るぞ。
ドスンと腰掛けたソファの端。
弾みで飛び上がった小さな物体が目に入った。
「ん？」
人形…？
……宮田か？
「おい、宮田。お前楽屋に何持って来てんだよ。」
何気にその人形を持ち上げた時だった。
「うぐっ…」
「えっ！？」
「苦しい…」
思わずその人形を離しかけて…聞こえた良く知る声に咄嗟にその人形を両手で掬い上げた。
「北山？」
「藤ヶ谷…？」
明らかに寝ぼけた北山の声は、その人形から聞こえてくるんだけど…
一応…
周りを確認…
北山の姿は…ない…と。
ゆっくりと視線を元に戻すと…
「ふわぁ〜、爆睡しちゃった〜」
俺の手の上で胡坐をかいて伸びをする小さな北山。
あまりの出来事にもう、声も出ない。
「ガヤさん、俺、呼んだ？」
今更出てきた宮田が、俺と俺の手のひらで大あくびしている北山を見た。
「え？ガヤさん。何？その人形…」
宮田の言葉に即座に反応するメンバー。
そして…
「「「「「えええっっっっっ！」」」」」
「うわぁぁ〜っ！！！」
楽屋が割れんばかりの大絶叫が起こったことは言うまでもない。
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作者名：MISA
| 作成日時：2014年8月7日 0時
