25(Fside) ページ25
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欲しいアニメのDVDがあるからとそのまま宮田は秋葉原に残り、俺は車へと戻った。
「はぁ…」
車に乗り込んで、買い物袋を覗き込む。
人形用の商品って結構高いんだね…
調子に乗って買ってたら、びっくりするような値段になってた。
まあ…宏光の為だもんな…
一生懸命働こう…
助手席に荷物を置いて、次の仕事へ向かう。
宏光がどうしているのか、気にならない訳ではないけれど、俺が一番信頼している渉が預かってくれているから安心だ。
いつも以上に仕事に集中して、どうにか巻いて仕事を終えた。
急いで渉のマンションへ向かう。
運も味方してくれているのか、渋滞もなく車はスイスイ進み、あっという間に目的地に着いた。
渉の部屋のインターフォンを鳴らすと、渉の優しい声が返ってきた。
大きな荷物を抱えて部屋までの廊下を歩いていたら、ゆっくりとドアが開いて渉が顔を出した。
「「お帰り〜」」
渉の胸では、ポケットに入った宏光が俺に向かって、小さな手をブンブン振っている。
「うわっ。すごい荷物だね(笑)」
笑顔の渉が俺の荷物を受け取ってくれた。
「ただいま。北山、大丈夫だった?」
「うん!横尾さんにご飯作ってもらった〜♪」
「そっか、良かったな。」
「太輔は?ご飯まだでしょ?」
「うん。」
「食べてく?」
「そうしようかな。ありがとう。」
渉は俺に宏光をそっと手渡すと、キッチンへと向かった。
「ね、ね、何買ってくれたの?」
俺の手の中で、お得意の上目遣いをしながら宏光はご機嫌な様子。
俺の手をトントン叩きながら、「早く見せて」とおねだりしてくる。
「はいはい。ちょっと待って。」
テーブルにそっと宏光を下ろして、俺は紙袋から次々と今日の戦利品を宏光の前に並べた。
「うわ〜、フカフカだ〜!気持ちいいっ!」
「太輔が作ってくれたお箸で良かったのに…」
「この服、めちゃくちゃカッコいいっ!」
一つ一つに表情をくるくる変えながら俺を見上げる。
「ね、太輔…こんなに…高かったでしょ…?」
小さな洋服を握りしめながら、急に落ち込んだように俯いた宏光。
「大丈夫だよ。宏光が喜んでくれたら、俺はそれで嬉しいから。」
頭をそっと撫でると
「…うん。ありがとう、太輔。大切にするね。」
この笑顔の為なら、高額な出費も無駄じゃないって思えるんだ。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年8月7日 0時