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20(Fside) ページ20

「そろそろだな。」





腕時計はそろそろ3人がラジオの仕事を終える時間を示している。





「宏光、車出すよ。」





助手席に置いたウェストバッグの中でまだゴロゴロと遊んでいる宏光に声を掛ける。





「りょ〜かいっ!」





俺を見上げて敬礼するご機嫌な宏光。




バッグ…買って良かったな。

こんな可愛い宏光が見れるなら、お安いもんだ。




車の振動で宏光が転んでしまわない様に、細心の注意を払う。

宏光の話す声が消えてしまわない様に、いつも掛けている音楽も今日は封印だ。





「ね、ね。ここから見上げる太輔もカッコいいね。」





こいつ、小さくなってから、今まで言わなかったことをやたらと言ってくる。





「何?小さくなったらそんな言葉も言えるんだ。」

「んふふ♪」

「…宏光がその姿で良かったよ。」

「え?」

「普通の宏光だったら…

完全に俺…襲ってる。」

「///」





顔を真っ赤にして俯く宏光が可愛くて…





「冗談。ほら、もう着くよ。」





ホントは半分本気…だったんだけどね。

そしたら宏光は少し悩んだ後、俺を見上げ、首を傾げてこう言った。





「体が元に戻ったら…いくらでも…襲っていい…」





たまんねぇぇぇぇ!





こうやって小さい宏光に、俺は簡単に翻弄されてしまうんだ。



.




局の駐車場に車を止めて、宏光の入ったウェストバッグをしっかりと腰に着けた。





「しばらく我慢な。」





揺れない様に極力気を付けて…





「お疲れ様です。」

「あれ?藤ヶ谷さん、どうしたんですか?」





馴染みのスタッフに声を掛けながら宮田たちを探す。





「あ、宮田とこの後デートなんで迎えに来ました(笑)」

「あ〜宮田さんならさっき収録終わって…まだ中にいますよ。」





スタッフに笑顔で手を振って、ブースの中に入る。





「おっ、ガヤさん!」

「お疲れ。」





仕事を終えた宮田達が手を振りながら俺を迎えてくれた。







.

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作者名:MISA | 作成日時:2014年8月7日 0時

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