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1(Kiside) ページ1

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それは、穏やかなある昼下がり…





「藤ヶ谷、その進行表、次見せて。」

「ん?あ、もういいよ。…はい。」

「ありがと。」





藤ヶ谷がさし出す進行表に、手を伸ばす。





「あ…」

「ん?」





藤ヶ谷が進行表を持ったまま…



固まった。




一枚の進行表を2人で掴んで、数秒停止…





「藤ヶ谷…離せよ。」

「北山…あれ…」





ゆっくりと指差した先は、俺の後ろ。





「ん?」





目を丸くしたまま瞬きもしない藤ヶ谷を不思議に思いながら振り向くと、そこに見えた物…





「あ…猫…」

「うん。」





そう、1匹の三毛猫が俺達をじっと見つめている。





「可愛いな。」

「いや、そうじゃなくて。」

「ん?」

「ここ…何階?」

「ん?…7階?………ええっ!?」





そう、ここは7階。



と言う事は、つまり…





「飛んでるよね…あの猫…」





空飛ぶ猫…



信じるよ、って歌ってはいるけど……





「ええっ?!」





2人で進行表を持ったまま、空飛ぶ猫をガン見する。





その時…





「うわわわわっ!」





その猫はクルリと体制を変え、俺たち目掛けて一直線に掛けてきた。




と…





「あ…ワープした…」





窓の外にいたはずの猫は、窓をすり抜けて俺達のすぐ目の前に立ち止まった。





「「………」」





そして、近付いて初めて気付いた事…





「え………オッサン…?」





どう見ても50過ぎた小さいオッサンが、似合わないメルヘンチックな小人の服を着て…空飛ぶ猫に跨っていた。






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作者名:MISA | 作成日時:2014年8月7日 0時

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