それはあなたの最期の言葉でした。２【Satoshi.O】 (ページ35)

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家族全員が地元に集まって行われた葬儀が終わった。

智の最期に沢山の人が駆け付けて、弟たちは兄が如何に周りの人に慕われていたのかが分かって嬉しくなる。

お通夜では昔話をしたりして、少し涙も混じりながら語り合った。

兄弟それぞれ、仕事や大学の休みを貰いここに来て4日目のこと。

翔が智の部屋に入って、東京から送った遺品などを整理しようととりあえず机の引き出しを開けると、彼のスマホが出てきた。

何となく、本当に何も考えずに電源を付けてみた。

すると、ロック画面の壁紙は真っ白。

だがそのちょうど真ん中に書かれた

『パスワードは俺の誕生日』

という文字に、興味を持たないわけがない。

まるで、誰かに開いて欲しいと言っているような……

翔は床に座って壁にもたれかかり、それから慎重に打っていく。

トクトクと少し鼓動の音がする。

この部屋が1人で静かだからだろうか、それとも心持ちが変わったからだろうか。

最後に6を打つと、簡単にロックが解除された。

それに驚いていると、ホーム画面にも同じような壁紙が設定されている。

違うのはまたもや真ん中にある文字。

『写真フォルダを開いて』

画面右上にあった写真フォルダをタップした。