【オリジナル】アイジョウ～からくり屋敷と夢食いバク～【ホラー】 (ページ16)

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◆第１０話　外の世界◆ ページ16

　
　
｢では、今日の計画を話すわ｣

ご飯を食べ終わった所でリュネットお姉様が
話を始めた。

｢今日の目的はアンジュ、貴方とバクを
この屋敷から出すことよ
今日は私達三人でお出掛けに行くことに
するから、その時に｣

｢待って｣

私はお姉様の言葉を遮った。
何だか訳がわからないから、質問した。

｢どうして皆、私をこのお屋敷から出そうと
するの？ここは別に悪いこともないのに…、
どうしてなの？｣

そういうと、皆複雑そうな顔をした。
クッキーは何も知らないみたいだけど。

｢…まだまだ幼い末っ子ちゃん、
それを知るにはまだ早いんだ…
わかってくれ、…末っ子ちゃん｣

バクがでもとも言わせない優しい声で言った。
私は皆の顔を見て悲しくなった。

｢…、ごめんなさい｣

バクはいいんだよと言って頭を撫でてくれた。

｢では、話を戻すわ、さっきまでの話で
お出かけ…、つまり、この屋敷から出ると
いうことにまず問題があるわ｣

｢お父様は決してこの屋敷から出すことを
許さないから…、こっそり脱け出さないと
いけないわ…でもまたそれが難しいのよ｣

｢つまり？｣

バクはこてんと首を傾げて聞いた。

｢考えずに強行突破よ｣
｢考えずに強行突破よ｣

双子のお姉様が同時に答えた。

｢アンジュは何も変わりない様に過ごして、
夜にはこの部屋に戻って
そして、クッキーはアンジュと離れちゃダメ｣

｢ワカリました!｣

クッキーはぴんっと手を上げて返事した。

｢バクは考えずとも解るわよね？
この部屋から出ちゃダメよ｣

｢えー、バレないようにしたら…｣

｢お黙りなさい｣

ぺしっとバクはチョップされた。
私はお出かけの用意をする！といい、
荷物をあさりはじめた。

……午後2時。
お昼御飯も済ませて、本当にすることが
なくなった。
アンジュは一人でぼんやり考えた。

どうしてみんな私を追い出そうとするの？
安全な私の“世界”から、何故わざわざ
危険な“世界”に出そうとするの？

考え出したら止まらない疑問。
そして、こう結論を出した。

……皆は私を騙して、追い出すつもり？

裏切られた気分になった。
私を騙して遊んでたんだ、
エルフィお姉様も無事なんだ。

私は部屋を飛び出した。