幼なじみの彼と彼について (ページ21)

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天元は、よろけそうになる私の腕を持って支えてくれた。

「一体何があったんだよ」
私を見つめてきた。

助けてほしい……

今すぐ話したい……

でも……

これを話したら……話してしまったら…

天元を完全に失ってしまうかもしれない…

こわい。

助けてほしいのに言葉が続かない。

私が言い出せないのが分かったのか？
天元が話しはじめる

「俺達、色々難しいな…
皆で仲良くなんて……
小さい頃みたいにはいかない」

「ごめんな、A…辛い思いをさせて」

「天元……」
謝られると、余計に辛くなる。

「お前が…俺の事想ってくれてるの、前から知ってた」

そっか……

「年下の不死川に
言われちまったんだよな。
情けない…」

実弥が……？何を……

「思わせ振りな態度するなってよ。お前を泣かすなってさ。」
少し笑いながら私を見つめる。

「え…？」

「あいつは、
本当にお前の事好きなんだな……
驚いたよ。あんなにお前に冷たい態度、
距離を置いてたのにな。」

「俺は…お前を可愛い妹と思ってる。

それ以上の気持ちになる勇気が俺にはない。」

こう言われることは覚悟していた

「そっか……そうだよね……当たり前だよね？
今まで兄妹みたいに育ってきたんだもんね？」

やっぱり、私は妹以上の関係にはなれないんだ。
ハッキリ言ってもらって、かえって良かったのかもしれない。

泣いちゃ……だめだ。
家に行くまでは……ガマンしなきゃ……
頑張れ……A。

今できる最高の笑顔を天元に向けよう。
心配させないために。

私はニコっと笑う。
「天元……ありがとう。
ちゃんと言ってくれて、
スッキリしたよ。」

天元の気持ちを知った以上
ここにいるわけにはいかない。

「私、帰るね？」

そう言い、外に出ようとした時

「待てよ」
グイっと腕を引っ張られる。

「妹って思ってるのにな…」

「え……？」

「ここのところお前に避けられて
気がついたんだよな」

どういう意味？

「お前に避けられると追いかけたくなる」